ASC申請支援センターだより

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奈良県行政書士会に講師として招聘していただきました。

奈良会知的財産研修会「制作委託契約」

 去る平成18年8月22日(火)、奈良県行政書士会主催の知的財産研修会に講師として招聘され、大阪府行政書士会知的財産委員会より派遣されてまいりました。

 今回の研修会のテーマは「制作委託契約」。  ソフトウェアやホームページなどの外注の際から映画・テレビの番組制作の外部委託まで様々な場面で取り交わされるのが制作委託契約です。

 特定物売買などと違って、いわば「現在、世の中にないもの」を売る(正しくは、作成の事務委任を受ける)わけですから、契約段階で各当事者の非常に曖昧な企画意図を摺り合せて行かなければならない大変な作業となります。  さらには、建築などの「請負」と違って定型化した製作過程でないことが非常に多く、必ずしも完成品を受け渡す「請負契約」を約すことができない事情があるような際の手段として取り交わすこともあります。

 そして、何よりも「制作物そのもの」や「サブルーチン」「モジュール」「データ」等それぞれの『著作権』をどうするのか、また『使用許諾』が必要な場合も検討していかねばならない、知的財産契約としての応用を求められる非常にやっかいな契約です。

大阪府行政書士会知的財産委員会では、大阪工業大学法学部生駒教授に協力いただいた契約書雛形をもとに委員会で推敲を重ね、契約時のチェックポイントや法的整合性を研究してまいりました。

赤股知財委員

 

 今回の研修会は、奈良県行政書士会より知的財産委員会に要請があり、そのノウハウの開示と伝達の為、招聘されたものです。  当日は、長年ソフトウェア開発に携わってこられ制作委託に明るい行政書士である赤股委員とチームを組んでの研修を行いました。  前半は、赤股委員による「制作委託契約のチェックポイント」についての講演が行われ、当センターは、後半の「制作委託契約書」作成のワークショップを担当させていただきました。  ワークショップでは、奈良会の先生方の前向きな意見や質問がなされ、模擬契約書の作成実習においてさすがに経験豊かな先生方だけあってどの班もほぼ模範解答どおりの条文を作られました。

ワークショップも良い雰囲気でした!

 

 研修の中で個人的に力を入れてご説明したことは、事務委任(準委任)である委託契約を望んでいるのか、請負契約の締結が必要な場面なのかを、各契約当事者にお互いに理解させ、「一方が請負のつもりで、他方が委託のつもりだった」ということのないように気をつけることと、どちらの契約とするかで契約書のポイント、つまり民法上の適用条文が変わってくる事などです。

制作委託を考えられている企業の方も、この点には同じように徹底してご留意下さい。  (2006.08.22)

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