帰化申請に必要な添付書類(集める書類)
帰化申請では時間をかけて約60種類のさまざまな提出書類を準備していく必要があります。このページでは、帰化申請で提出書類のうち必要な添付書類(集めていく書類)について、ご説明しています。
添付書類は、なぜ必要か?
「日本に帰化するにふさわしい人」しか帰化をすることはできません。
少なくとも、国籍法で定められた帰化の条件を満たしていないと、帰化するにふさわしい人ではありません。帰化申請の添付書類は、帰化するにふさわしくない人ではないことを証明するために必要な資料となります。
家族で申請される場合の必要書類は、あまり書類が多くない一般的なケースであっても、添付書類と作成書類を合わせて上記写真程度の量になります。人間関係や収入の状況が複雑な場合などには、必要書類はさらに倍程度になりキャリーケースで運ばなければならないこともよくあります。若い世代の独身の方、おひとりだけの申請なら、必要書類は写真の半分くらいですむこともあります。
国籍法施行規則第2条3項(抄)
- 第2条3 申請書には、次の事項を記載して申請する者が署名し、帰化に必要な条件を備えていることを証するに足りる書類を添付しなければならない。
上記の通り、国籍法施行規則の中では「帰化に必要な条件を備えていることを証するに足りる書類」とのみ書かれており、具体的に何を提出することが必要なのかは決められていません。
ですから、本来は申請者自身が自分に求められる帰化条件を検討し、「帰化に必要な条件を備えていることを証するに足りる書類」を考えて行わなければなりません。
しかし、それでは一般の方が申請することは到底できませんから、法務省では必要最低限の必要書類として下記のような書類を列挙し、その中で帰化条件を満たしていることが疎明できれば、一応は必要書類が揃っていると判断してくれる取り扱いとなっています。
ただし、あくまでも必要最低限の書類ですから、その記載内容において不整合などが見られ、帰化条件を満たしているのかが明らかでないときにはさらなる証明書類を用意する必要があります。
帰化条件の立証責任
これは帰化申請を進めていく上で非常に大事なことです。
帰化申請において、「帰化に必要な条件を備えていることを証する」責任は申請者自身にあります。
よく、「なぜこんなに沢山の書類がいるのか」と文句を言われる方がいます。行政書士の中にも「書類を省略してもらうよう法務局に掛け合ってあげた」と言われる方がいます。
どちらも大きな勘違いです。
帰化申請の必要書類は全て「申請者の武器」です。もちろん「帰化に必要な条件を備えていることを立証する」ための武器なんです。申請者が真面目な人であって、良い行政書士がつけば、最後は法務局の職員はあなたが帰化できることを祈ってくれます。ところが添付書類が足りなければ不許可になる可能性が高くなる、だからうるさく言ってくれるのです。添付書類を省略すると帰化するための武力は弱くなるということです。
それが理解できれば、自ずと収集していく姿勢にも力が入りませんか?
帰化申請に添付するさまざまな必要書類
帰化申請に添付する必要書類は、申請者の状況によりそれぞれ全員違います。また、帰化の条件を満たしていないと書類を揃えても無駄となります。必ず、ご依頼をされる行政書士か法務局職員の説明を聞いてから、取り寄せを始めてください。
下記に記載した添付書類はあくまでも必要最低限の内容ですので、申請者自身の身分関係・履歴・収入・国籍・在留資格・在留の状況などにより、追加の書類を指示されることがよくありますので、あらかじめご了承ください。
本国法により行為能力を有することの証明書
本国の成人年齢・行為能力の制限を定めた法令及び申請者の年齢を証明したもので、原則として本国の官公署が証明したものを提出する必要があります。
また、能力要件を必要としない簡易帰化に該当する場合には、簡易帰化に該当することを証明できる書類が必要となります。
国籍証明書及び二重国籍とならないことの証明書
- 国籍証明書
この書類は「絶対に」勝手に取ってはいけません。国籍証明書を取得することにより無国籍となる場合があるので、必ず行政書士や法務局から指示を待ってから取得してください。
また国籍離脱の意味合いがない国においても、国籍証明書が取れる限りはアフィダビットなどの形式で取得する必要があります。
韓国・朝鮮籍の方は、本国官憲発行の家族関係登録簿記載事項証明書により代用できます。
- 旅券(パスポート)
過去全てのパスポートが必要書類となります。ビザページで空欄となっているページ以外は全ての写しが必要です。
- 国籍離脱(喪失)証明書(上記国籍証明書が兼ねない場合)
- 国籍離脱(喪失)宣誓書
身分関係を証する本国書類
- 基本証明書(韓国)原則本人のみ、登録内容により家族も。
- 家族関係証明書(韓国)本人及び父母
- 婚姻関係証明書(韓国)本人及び父母
- 除籍謄本(韓国)登録内容により提出
- 入養関係証明書(韓国)登録内容により提出
- 親養子入養関係証明書(韓国)登録内容により提出
- 戸籍謄本・除籍謄本(台湾)
- 出生公証書(中国)原則本人のみ
- 死亡公証書(中国)家族
- 結婚公証書(中国)本人、父母
- 離婚公証書(中国)本人、父母
- 家族関係公証書(中国)
- 扶養者の指定を証する書面(中国)
- その他公証書(中国)家族状況に応じて提出
- 各種宣誓供述書(各国)
- 出生証明書(各国)原則本人のみ、登録内容により家族も
- 死亡証明書(各国)家族
- 結婚証明書書(各国)本人、父母
- 離婚証明書(各国)本人、父母
- 家族関係証明書(各国)
国によって様々ですが上記のような必要書類があります。抄本や一部事項証明書は不可です。
本国書類については、全て翻訳者を明らかにした邦訳文が必要です。
身分関係を証する日本での書類
- 日本の戸籍謄本又は除籍謄本
次のような全ての方について戸籍謄本又は除籍謄本が必要書類となります。
ア.申請者の(前・内)夫、(前・内)妻、婚約者が日本人
イ.申請者の(養)子が日本人
ウ.申請者の(養)父母が日本人
エ.申請者が日本国民であった人の子であるとき
オ.申請者が日本の国籍を失った人であるとき
カ.申請者の親・兄弟姉妹・子が帰化または国籍取得したとき
なお、申請者との続柄がどのような関係の者の戸籍であるかにより、何時の時点での戸籍謄本・除籍謄本をするかは変わってきます。
また、日本の各自治体の電算化と親族の帰化時期とのタイミングにより、戸籍謄本(全部事項証明書)を取り寄せるのか、改正原戸籍謄本を取り寄せるのか、除籍謄本を取り寄せるのかは変わってきます。これは電算化の際の猶予期間も考慮しなければなりませんので、単純に帰化時期が日本の自治体の電算化時期の前後かどうかだけでは判断できません。
- 出生届記載事項証明書。原則本人、事情により家族も
- 死亡届記載事項証明書。本人、家族
- 婚姻届記載事項証明書。本人、父母
- 離婚届記載事項証明書。本人、父母
- 養子縁組届記載事項証明書。本人
- 認知届記載事項証明書。本人
- 親権者変更届記載事項証明書
- 裁判離婚の場合は判決書等(確定証明つき)
- 就籍審判書
- 書替前原票記載事項証明書。状況による
上記については全て、見当たらない場合には見当たらないことについての公的書類が必要です。また追完があればそれらも含めて取得してください。
住所を証する書類
- 帰化申請に必要な事項の記載された外国人登録原票記載事項証明書
申請者及び同居親族全員のものが必要となります。また、帰化申請に必要な事項が全て記載されていないと取り直しになりますので気をつけてください。
- 同居者全員の住民票
同居する日本人全員の住民票が必要です。
収入を証する書面(昨年転職をしていないサラリーマンの場合)
- ①在勤給与証明書
- ②給与明細書
- ③勤務状況の疎名資料
- ④児童手当などを受けている場合は支給決定通知書等
- ⑤公的年金を受けている場合には支給決定通知書等
- ⑥その他、収入を証する書面
申請をするしないにかかわらず、同居する家族全員の分が必要となります※。特別永住者以外の方は勤務先で在勤給与証明書を作成してもらわないといけません。特別永住者の方では②と③により在勤給与証明書に代える事ができますが、給与明細の書式によっては、原則に戻って在勤給与証明書を求められます。
注※これは決して「家族の中に申請しない人がいても良い」という意味ではありません。家族の中に申請しない人がいることは、帰化申請をしていく上で、非常に大きなマイナスとなります。
なお、法人役員の方、自営業者の方、法人役員でなおかつ事業・不動産等の個人収入がある方、昨年転職をしているサラリーマンの方などは、収入を証する書面がたいへん複雑になるとともに審査のポイントも多くなりますので、専門家にご依頼いただく必要があります。
在学を証する書面
- 在学証明書
- 生徒手帳の写し
- 通知表・成績証明書等の写し
申請者の中に学生がいる場合にはこれらが必要書類となります。
資産関係を証明する書類
- 土地・建物の不動産登記簿謄本
- 賃貸契約書の写し
- 貯金通帳の写しまたは銀行・郵便局で証明を受けた預貯金現在残高証明書
- その他、資産を証する書面
いずれも申請時点の正確な状況が必要となります。不動産登記簿謄本もあまり古いものは内容に変更がある可能性がありますから不可です。通帳などはきちんと記帳をしておいてください。
納税状況を証する書面
- 源泉徴収票
- 源泉徴収簿の写し
- 納付書の写し(該当年度全ての分)
- 会社・個人確定申告書の写し
- 決算書一式(損益計算書・貸借対照表など)の写し
- 法人税・個人所得税納税証明書その1
- 法人税・個人所得税納税証明書その2
- 法人・個人事業税納税証明書
- 法人・個人消費税納税証明書
- 法人府県民税・法人市民税・個人府県市民税納税証明書
- 非課税証明書
- 固定資産税納税証明書(法務局・担当者による)
- 料理飲食等消費税納税証明書(法務局・担当者による)
- 自動車税納税証明書(法務局・担当者による)
- 状況により各種帳簿の写し
昨年転職をしているサラリーマンの方、法人役員の方、自営業者の方、法人役員でなおかつ事業・不動産等の個人収入がある方などは、収入を証する書面がたいへん複雑になるとともに審査のポイントも多くなりますので、専門家にご依頼いただく必要があります。
交通違反・事故・処分の状況を確認する書類
- 自動車運転免許証(裏・表)の写し
- 運転記録証明書の写し
- 運転免許経歴証明書(取消免許・失効免許)
- 状況によりSDカードの写し
申請者の中に自動車運転免許証を持っている人はこれらが必要書類となります。
学歴を確認する書類
- 最終学校の卒業証明書
- 最終学校の卒業証書の写し
- 在学・在籍証明書
- その日本語訳文
外国の学校を卒業された方は翻訳文も必要書類となります。
許可・資格を確認する書類
- 営業許可証の写し
- 各種資格証・合格証写し
無許可営業や無免許・無資格による勤務がないことを確認するために提出します。
その他素行等に関する書類
- 警察記録証明書(台湾籍の方など)
- 判決書(確定証明つき)など
- 免責決定書の写し
過去の履歴により、素行関係を証明するために添付します。
その他の添付書類
- 上申書
- 理由書
- 身分証明書
- 財産証明書
- 母親の申述書など各種申述書
- 医師の診断書
- 感謝状
- 各種嘆願書
- スナップ写真
その他、上記以外にも、申請者自身の身分関係・履歴・収入・国籍・在留資格・在留の状況などにより、法務局の担当職員から追加の必要書類を指示される場合がありますので、指示に従ってください。
<行政書士事務所ASC申請支援センターの帰化申請相談会について>
帰化申請や国際結婚の際などの在留資格認定についてご相談は一生に関わる重大事ですので「面談にてのみ」相談を受けております。
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