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相続手続き・遺言の書き方・遺産分割協議書

 相続は、人生の中で誰もが出会う問題です。

 先祖から子孫への伝承という、本来大切な絆を確認すべき出来事の中で、残された遺産をめぐって親族間に対立や争いが起こるのはたいへん悲しいことです。

 ASC申請支援センターでは、被相続人(遺産を残される方)の生前、没後、それぞれの時期に「争いを回避するために何ができるのか?」をご本人やご親族のみなさまと一緒に考え、円満な親族関係を法的な立場から支援させていただいております。

 <重要なご注意>
 このページでは、みなさまの円満な相続に寄与するために遺言書の書き方や相続手続きについての情報を掲載しております。
 しかしながら、相続や遺言に関しては案件それぞれに個性があり、インターネット上の知識のみから判断して手続等を行われることは非常に危険です。
 昨今、ネット上には誤謬や不完全な知識が氾濫しています。当サイトにおいても、情報の信憑性には万全の注意をいたしてはおりますが、場合によっては諸事情から言葉が足りないこともあるかもしれません。

 殊、相続や遺言等の民事法務におきましては、ネット上の知識を鵜呑みにせず、必ず行政書士や弁護士などの専門家にご相談されることをお勧めします。
 なぜなら、穿った申し上げ方かも知れませんが、他の各種申請等においては許可要件や環境を整備した上での再チャレンジということも想定できますが、相続や遺言については再チャレンジということはありえません。

 相続・遺言については、当ASC申請支援センターであらずとも、「必ず面談で」専門家にご相談なさってください。
 また、その際にはインターネットで探すだけでなく、「お住まいの地域の」行政書士会や弁護士会等を通じて、信頼の置ける専門家を探されることもご一考ください。

 誠に僭越ながら、このページのみ、老婆心方々、ひと言申し上げました。
 くれぐれもご了承の上、以下のコンテンツをお読みください。
 

遺言書の書き方(自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言)


 生前に、遺言(いごん)によって遺産に関する被相続人の意思を明確に伝えておくことはご自身がお亡くなりになった後の遺産をめぐる争いを予防する非常に有効な手段です。
 しかし、法的に有効な書式や手続を欠くと、せっかく残した遺言が全く無効となってしまいます。

 遺言については、民法の第960条以下に、その方式や効力、執行の方法などが細やかに規定されています。
 法律に基づく有効な遺言作成のアドバイスから公証人手続、遺言の執行まで、被相続人のご遺志を没後の相続に正確に反映させることが、ASC申請支援センターの役割です。
  どうか安心してお任せください
  相続や遺言、死亡後の手続きについて相談する

 
 

まず、遺言には何を書くのか?(遺言の書き方)

 遺言には何を書いたらいいのでしょう?

 ほとんどの方にとって初めてのご経験であり、お悩みになられることも多いかと存じます。

 でも、基本的には、遺言の内容はご自分で考えるものです。
 しかし、遺言を書きたいがポイントがわからないといった方からご依頼があれば、当センターはご本人から相続に関しての具体的なご意思をじっくりお聞きし、遺言の原案を作成いたします。

 ご意思をお聞きすると、やはりほとんどの場合、財産の分配が主たる内容となります。
 「誰に」「何を(あるいは、どの程度)」ということを明確にしつつ、
  • 遺産分割方法の指定/具体的な分け方を決める。
  • 相続人の指定/割合(相続分)を決める。
  • 遺贈/特定の、特に、相続人以外に財産を譲る。
  • 認知/自分の子供(=相続人)であることを認める。
 などを法律的に有効な言葉で明解に表現していかなければなりません。
 主旨不明だとせっかくの遺言が無効となることがあるからです。

 さらに財産以外に、
  • 祭祀承継者/お墓や仏壇をお祀りしてくれる人
  • 遺言執行者/実際に遺言の内容を実現してくれる人
 などを相続人間に争いが生じないように取り決めておくこともいいでしょう。
 また、
  • 負担付遺贈
 といって、遺贈に条件を付け、一定の義務を負わせることも可能です。
 なお、「みんな仲良く」などの訓示を書いておいても差し支えありません。

 実際の流れとしては、ご希望をお聞きして当センターが作成したこれらの原案を、自筆で遺言に書かれるか、公証人に筆記してもらうことになります。
 

「普通の方式(自筆証書・公正証書・秘密証書)」による遺言

 遺言の内容が決まったら、次は、遺言の方式を決めなければなりません。

 臨終の際に緊急に遺言をされるときなど特別の場合を除いて、遺言は「普通の方式」でしなければならないことが民法上、規定されています。

 「普通の方式」による遺言としては、  の3つが定められています。
 当センターが主に扱うのは、これらの「普通の方式」の遺言です。
 <「特別の方式」の遺言とは>

 「特別の方式」の遺言とは、@危篤状態で自分で遺言がかけない時(一般危急時遺言§976)、 A伝染病で隔離されている時(伝染病隔離者遺言§977)、 B船舶内でする時(在船者遺言§978)、 C船舶が遭難した時(船舶遭難者遺言§979) にする遺言のことですが、すでに遺言を残す意思が明確なのであれば、それらを予定することはあまり現実的ではありません。

   以下に、「普通の方式」による遺言のそれぞれについて簡単にご説明しておきます。
  • 自筆証書遺言
    遺言者が、その全文、日付及び氏名を自書し、これに印を押して作成するもの。
     
    長所:  証人等が不要であり、簡単で生前の費用が少なくて済む。
    自分で作るのだから秘密にできる。
     
    短所:  家庭裁判所の検認手続が必要で没後費用が掛かる。
    専門家の助言なく作成した場合、方式違反や主旨不明などで無効になることがよくある。
    作成が簡単な分、偽造や変造の可能性がある。
    紛失や隠匿される可能性がある。
     
  • 公正証書遺言
     証人2人の立会のもと、遺言者が口述した内容を公証人が筆記して作成するもの。
     
    長所:  検認手続が不要。
    公証人が作成するので、方式違反、主旨不明はまずない。
    原本全文が公証役場に保管されるので、紛失・変造のおそれ、また、相続人による隠匿や破棄などのおそれがない。
    文字が書けなくても遺言できる。
     
    短所:  公証人費用が掛かる。
    2名の証人が必要。
    まったくの秘密にはできない。
     
  • 秘密証書遺言
     遺言の内容を記した書面(必ずしも全文自筆でなくともよい)に署名押印し、さらに同じ印で封印した封書を、2人以上の証人の立会のもと公証人に提出して自分の遺言であることなどを述べてするもの。
     
    長所:  内容を秘密にしておきながら、かつ偽造・変造をある程度予防できる。
     
    短所:  検認手続が必要。
    公証人が作成するのは封紙のみなので、内容の方式違反、主旨不明のおそれが残る。
    2名の証人が必要。
     
    注:これらは、あくまで概略をかいつまんでご説明したものです。
    なお、当センターに依頼された場合、公正証書遺言、秘密証書遺言における「証人」として2名の行政書士を派遣することも可能です。
 <公証人とは>

 公証人とは、法律行為などの事実を公に証明する業務等を執り行う公務員で、その権限は公証人法(明治42年施行)第1条に定められています。
 現在、裁判官・検察官などで30年以上の実務経験を有する者の中から、法務大臣により任命されています。
 公証人の作成する公正証書は、公文書として非常に高い証明力を持ち、例えば契約書を公正証書として作成すると、契約違反があれば裁判を起こすことなく強制執行に入ることができます。
 公証人と行政書士は非常に深い関係にあり、とくに会社設立においては「定款は行政書士が作成し公証人が認証する」というのが世の中の一般的なセオリーとなっています。また、最近では著作権実務においても、著作権相談員資格を持つ行政書士が著作物の内容・公表状況などをまとめ公証人が事実実験公正証書を作成して将来の紛争に備える例が増えてきています。

 

Q.どの遺言を選ぶべきか? A.公正証書遺言

 これまで見てまいりましたように「普通の方式」の遺言には、それぞれ長所と短所がありました。
 では、「普通の方式」の遺言のうち、どの遺言を選ぶべきでしょうか?

 結論は、公正証書遺言です。
 このことは相続業務を主に執り扱う行政書士などの士業や銀行の一致した見解です。

 なぜ、相続の専門家が口を揃えて、公正証書遺言を薦めるのでしょう?
 それは、ひとえに遺言の有効性や安全性の観点からの理由に他なりません。
 せっかく遺言を残しても、その内容に方式違反や主旨不明があれば完全に有効な遺言とはなりませんし、外形的にも、偽造・変造がなされたり、紛失や推定相続人による破棄や隠匿があっては、故人の遺志は無に帰します。
 このことが顕著に現れているのが「検認の必要性の有無」における、公正証書遺言と他の遺言の手続の相違です。

 自筆証書遺言や秘密証書遺言では、被相続人の死亡後、家庭裁判所の検認手続が必要ですが、公正証書遺言では検認が不要となります。

 検認自体は単に相続人に遺言の存在と内容を知らせ変造や偽造を防止するためだけの手続で遺言の有効性を判断するものではなく、たとえ不法に開封したとしても遺言の効力が失われることにはなりませんが、公正証書遺言に検認手続を不要と定められていることは、とりもなおさず民法が公正証書遺言の外形的な信頼性を認めているといっても過言ではないでしょう。
 さらに実務上、現在では検認を受けた遺言書を添付しないと、遺贈を原因とする所有権移転登記はできません。

 この検認の申出の際には、残された遺族(保管者など検認を申し出る人)が相続人調査を行わないとなりません。相続人調査とは、亡くなった方の出生(もっとも実務上は10才程度以降)から死亡までの全ての戸籍謄本、除籍謄本を集め、全ての推定相続人を確認していく作業です。
 また、推定相続人全員の戸籍謄本も遺言の保管者等が集めなければならないので、実際には遺言で相続分の減る方の手前、気も使う作業となってまいります。

 あるいは、遺言の発見者が誤って開封してしまい、自分にとって不都合な内容であるために破棄や隠匿をしてしまう恐れの方が深刻な憂いとなるかもしれません。(注:開封すれば過料、破棄・隠匿は相続欠格となります。)

 これらを考え合わせると、遺言をするご本人にとっては、ご自分が亡くなった後の、了知しようがない「検認」という手続に外形的な安全性を委ねるよりは、少々の出費を覚悟して、生前、自分の目の黒いうちに「公正証書」によってそれを担保しておくことの方がはるかに安心できるものであることは明白です。
 もちろん、ご本人の口述を聞いて公証人が作成するわけですから、外形面のみならず内容の有効性においても他の遺言より信頼できることは言うまでもありません。

 当センターでは、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言のすべてを取り扱っていますが、別途、公証人への報酬を支払ってでも公正証書遺言にしておくことが、お亡くなりになった後のことを考えると最も安心できる方法です。
 
 <検認とは>

 先に述べましたように、公正証書遺言を除いて、遺言(遺言書)の保管者または遺言を発見した相続人は、遺言者の死亡を知った後、遅滞なく遺言書を家庭裁判所に提出して、その「検認」を請求しなければなりません。
 また、封印のある遺言書は、家庭裁判所で相続人等の立会いの上開封しなければならないことになっています。
 検認とは、相続人に対し遺言の存在及びその内容を知らせるとともに、遺言書の形状・加除訂正の状態・日付・署名など検認の日現在における遺言書の内容を明確にして遺言書の偽造・変造を防止するための手続であり、遺言の有効・無効を判断する手続ではありません。

 

遺産分割協議書作成


 円満な親族関係のために、生前に被相続人の立場からできることが遺言であるに対し、残された相続人の側でも順調に相続をすすめなければなりません。

 相続を放っておくと、相続人自身が亡くなって数次相続が発生し、孫の代あたりになると相続人が増え、それぞれに配偶者や家族の思惑が加わるものですから、日に日に話合いが困難になってまいります。
 すでに多数の相続人が発生している場合でも、将来さらに増えていくわけですから、相続人の誰かが負債を負った場合などは大変なことになります。あきらめずにできるだけ早く、相続関係をきちんとしておくことが必要です。

 ASC申請支援センターでは、相続人の方から依頼を受けて、下記のような相続手続に関するご相談を承っております。
 できるかぎり相続が円満にすすむように努力してまいりますので、まずはご相談ください。
  • 遺産目録作成のご相談
  • 相続人調査(戸籍調査)のご相談
  • 遺産分割協議書作成のご相談
  • 相続登記(司法書士との提携)
  • 相続放棄・限定承認のご相談
  • 遺留分減殺請求のご相談
 
 <数次相続とは・代襲相続とは>

 数次相続とは、次に述べる代襲相続とは違った意味の登記実務上の言葉です。長い間相続登記を放っておくと、最初の相続における相続人自身が亡くなって、第2次、第3次の相続が発生することがあります。このような状態のことを「数次相続が発生している」といいます。
 一方、被相続人が亡くなったときに推定相続人(例えば、子)が既に亡くなっていたり相続廃除や欠格で相続権を失っていた場合に、その直系卑属(この場合、孫)が推定相続人に成り代わって相続することを「代襲相続」といいます。
 

 

遺産分割協議書とは


 故人が遺言を残さずになくなられた場合、相続人それぞれの相続分は民法に規定されており、これを法定相続分といいます。

 しかし、法定相続分は割合でしかありませんので、実際には「あの土地は誰に、預金は誰に」ということを決めないと、現実的な相続をすることができません。このような、相続人による話合いのことを遺産分割協議といいます。

 また、遺言があっても、「具体的な遺産分割方法の指定」について故人の遺志が示されていなければ、やはり遺産分割協議が必要となってまいりますし、遺言に指定されていない財産の分け方も話し合わなければなりません。
 なお、遺産分割協議では、法定相続分と違う割合で遺産を分け合ってもかまいません。

 いずれにしても大事なことは、相続が発生したらできるだけ早いうちに相続人同士で話合いを行って、一連の相続手続を済ませることです。
 例えば、自分が相続したと思って住んでいる土地・建物であっても、きちんと登記を済ませ自分の単独名義にしておかないと、いつ他の相続人の債権者からその相続分について差押を受けるかわかりません。この登記にも遺産分割協議の結果を書き残した遺産分割協議書が必要となってまいります。

 また、被相続人名義の預金は相続人の一部の者が他の相続人に無断で引き出すことを防ぐため凍結されますが、遺産分割協議で預金につき法定相続分を超える権利を得た相続人が払い戻しを受けるためには、やはり金融機関に遺産分割協議書を提出しないとなりません。

 このように、相続後の財産の取扱いについて、現実的に非常に重要な役割を持つものが、遺産分割協議書なのです。 
 

相続人は誰か?(戸籍調査)


 「誰が相続人となり得るか?」という相続人の範囲は民法に規定されています。  しかし、現実に相続人は誰か?を確定するには、戸籍調査をしなければなりません。
 たとえ被相続人(故人)の子であったとしても、自分に物心がつく以前の親の行いの全てを見てきたわけではないからです。自分の生まれる前に別の婚姻があって子を儲けているかもしれません。

 相続人の確定には、被相続人の「出生から死亡」まで全ての戸籍謄本、除籍謄本、改正原戸籍謄本を収集しなければなりません。
 頻繁に転籍(本籍を移すこと)をされている方だと、たいへんな数になります。

 それらの全ての戸籍から推定相続人を洗い出して、初めて遺産分割協議にとりかかれます。
 遺産分割協議は、相続人全員でしなければならないからです。相続人をひとりでも欠いた遺産分割協議は無効となります。

 なお、各種の名義変更には戸籍謄本の添付が必要となってまいりますので、あらかじめ次の遺産目録を作成しておいて(あるいは項目だけでもリストアップして)、必要枚数をいちどに請求しておくと効率がいいでしょう。
   

遺された財産は何か?(遺産目録の作成)


 相続人は、被相続人の一切の権利義務を相続します。
 つまり、プラスの財産である資産だけでなく、マイナスの財産として負債も受け継ぐということになります。それぞれの財産を以下に例示列挙しておきます。
  • プラスの相続財産
    • 現金、預貯金
    • 不動産(土地・家屋)
    • 不動産上の権利(地上権・賃借権・抵当権など)
    • 動産(自動車・宝石貴金属・骨董品など)
    • 有価証券(株式・国債・手形など)、ゴルフ会員権
    • その他債権(売掛金・貸付金・損害賠償請求権など)
    • 知的財産権(特許などの産業財産権・著作権など)
    • 生命保険金(故人が受取人のもの)
    • 電話加入権
      ※但し、財産性があるとされた判例は加入権の価値が高かった頃のもの
  • マイナスの相続財産
    • 借金・ローン、保証債務
    • 公租公課(未納の税金・社会保険料など)
    • 買掛金
    • 損害賠償債務
  • 相続財産(故人の財産)とみなされないもの
    • 祭祀財産(墓地・仏壇・位牌・遺骨など)
    • 香典・葬儀費用
    • 生命保険金(故人以外が受取人のもの)
    • 死亡退職金・埋葬料

 その他、生活保護受給権や親権など故人以外には帰属できない、あるいは帰属させるべきではない権利(一身専属権)は相続されません。

 これら相続財産(資産)のそれぞれについて評価を行い、一覧表にまとめたものが、財産目録です。評価の方法は項目ごとに決まっていますので専門家にお任せください。

 相続財産と相続人が確定したら、いよいよ相続人全員で遺産分割協議をいたします。
 協議の結果は、遺産分割協議書に明確にまとめ、全員が署名、または記名押印してください。複数枚にわたるときは、契印も全員で押印します。
 この遺産分割協議書を添付して、相続登記や各種の名義書換などを行って現実に遺産を分割していくことになります。

 ASC申請支援センターでは、遺産目録作成、相続調査を経て遺産分割協議書作成し、司法書士との提携において相続登記までをトータルに承ります。
 遺産分割でお悩みの際は、何なりとご相談ください。
 
 <生命保険金と相続税>

 相続財産とみなされないものでも、税法上、相続税の対象となるものがあります。
 とくに生命保険金は、保険料負担や受取人の名義により異なった取扱いとなります。詳しくは、下記の表をご参照ください。
 
被保険者 保険料負担 受取人 税の種類
被相続人 被相続人 被相続人 相続税
(相続財産)
相続人 相続税
相続人 相続人 所得税
相続人以外
(含、相続放棄)
贈与税
(遺贈)
 

相続放棄とは 〜故人に債務がある場合

相続放棄とは・単純承認とは・限定承認とは

 相続が開始したからといって必ず、財産を受け継がなければならないわけではありません。
 相続人は次のいずれかを選択することができます。
  • 相続放棄
     プラスマイナス全て放棄する。
  • 単純承認
     プラスマイナス全て受継ぐ。
  • 限定承認
     プラスマイナスを清算し、なおかつ財産が残った場合に限り受継ぐ。

相続放棄とは

  • 相続放棄を選ぶ場合
     相続財産に債務超過が発生していれば相続放棄が有利です。
     財産目録を作成してみてプラスの相続財産よりマイナスの相続財産が多いことが判明したとき、あるいは調査の結果全ての財産までは把握できなかったが負債の方が多いことが明らかな場合は相続放棄を行うのが良いでしょう。
     
  • 相続放棄とは(相続放棄の効果・手続)
     相続放棄は、相続放棄申述書により「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所に申述して行います。相続放棄が認められると、相続開始時に遡って相続人でなかったことになり、他の相続人の相続分が増えることになります。

     いったん相続放棄をすると撤回はできません。また、詐欺や強迫、制限能力などの理由のほかは取消しできませんので熟慮が必要です。

     親が相続放棄をすれば、その子も代襲相続できません。これに対して、親が相続する資格を失った時(相続欠格)でも子は親に代わって代襲相続できます。

     なお、生前の相続放棄はできません。

    相続放棄申述書の書式は以下のアイコンからダウンロードできます。
     
           

     
  • 相続放棄手続をする者
     相続放棄は相続人自身が行います。未成年者や成年被後見人である場合はその法定代理人(親権者・成年後見人など)が行いますが、本人と法定代理人がともに相続人であって本人のみが相続放棄するときは、法定代理人の私利から本人の権利を守るため裁判所による特別代理人が立てられます。本人と法定代理人がともにする場合は問題ありません。
     
  • 相続放棄を申述する裁判所
      被相続人が最後に住んでいた住所を管轄する家庭裁判所に相続放棄申述書を提出します。申し立て後、本人の意志に基づくものであるかなどの照会(通常一週間ほどで「相続開始を知ったのはいつか?」「なぜ相続放棄をするのか?」「被相続人の財産を処分していないか?」等の質問が書いた照会書が郵送されてくるので回答書に記入して返送します)を経て、申述が受理されます。
     
  • 相続放棄申述受理後の流れ
     申述が受理されると、申述人の請求により申述受理証明書が発行されます。
     後日、被相続人の債権者からの請求があれば相続放棄をしたことを伝え、この申述受理証明書の写しを渡せば足ります。原本は手元に保管しておかれたらいいでしょう。
     

単純承認とは

  • 単純承認とは(単純承認の効果・手続)
     単純承認というのは、故人の全ての財産を受け継ぐ意思表示のことです。
     相続が開始したことを知ってから熟慮期間の3ヶ月以内に相続放棄か、下記に述べる限定承認の申述をしないと単純承認をしたとみなされます。つまり、単純承認をするには何の手続も要りません。
     単純承認をしたとみなされれば、相続人は被相続人の権利義務を無限に承継することになり、プラスマイナス全ての財産を相続したことになります。
     
  • 単純承認したとみなされる場合
     単純承認したとみなされる場合には、前述の熟慮期間内に相続放棄か限定承認をしなかった場合以外にも、
      ・相続財産を「処分」した場合
      ・相続放棄や限定承認をした後であっても、悪意で(=知っているのに)財産目録に
       記載しなかった場合や相続財産を隠したり、使ってしまった場合
     があります。
     

限定承認とは

  • 限定承認をする場合
     債務の総額がはっきりしなかったり、財産の鑑定額の算出に時間が掛かって、相続財産が債務超過なのかどうかわからないときには、限定承認を検討しても良いかもしれません。ただし、全ての債務が判明した後に十分な資産が残る可能性がなければ徒労に終わることがあります。
     
  • 限定承認とは(限定承認の効果・手続)
     限定承認も、相続放棄と同様に「相続の開始を知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所に申述して行います。
     被相続人の債務の存在について係争中であったり、どうしても相続人の協議に時間が掛かるなど特別の事情がある場合には、熟慮期間の伸長を申し立てることができます。伸長の限度は3ヶ月ですが再伸長の申立が認められることもあります。

     限定承認では、限定承認の申述審判申立書とともに財産目録を提出しなければなりません。相続放棄では財産関係が不明でも受理されますが、限定承認では財産目録を先に作成する必要があるということです。この財産目録に悪意で(故意に)記載しなかった財産があると単純承認とみなされますので慎重に作成しなければなりません。
     また、相続放棄は相続人が各自申し立てることができるのに対し、限定承認では必ず相続人全員の合意で申し立てる必要があります。

     限定承認とは、ひとことで言うと、「被相続人の資産を限度とした範囲で債務弁済を行い、相続人の個人資産をもってまで負債は負わない。」という有限責任の宣言です。
     その結果、清算をしてみてプラス財産が残れば相続できるということになるわけです。

    限定承認申述審判申立書の書式は下記のアイコンからダウンロードできます。

     

     
  • 限定承認後の手続の流れ
     限定承認を行ったからといって、それで手続が終わるわけではありません。

    (1)相続財産管理人の選任

     まず、相続人がひとりならその者が、複数いるときは相続人の中から家庭裁判所が選任した者が、相続財産管理人に就任します。
     相続財産管理人の役割は、相続財産の管理と清算です。管理者の責任として「自己の固有財産におけると同一の注意」をもって相続財産の管理を継続しなければなりません。

    (2)相続債務者・受遺者に対する公告および催告

     限定承認者は、限定承認をした後5日以内に、全ての債権者に対して「限定承認をしたこと」と「2ヶ月を下回らない一定の期間内に請求を申し出るよう」通知し"公告"をしなければなりません。
     前項で述べましたように、限定承認とは有限責任であるだけで、債務は相続されます。つまり、債権者は相続人に対し弁済を請求することができるわけです。しかし、強制執行はできませんので、この"公告期間"の満了前は、限定承認をしたので返済義務のないことを伝え、弁済を断ることができます。ただし、相続人が任意に弁済したときは非債弁済とならず、有効な弁済となります。

    (3)公告期間満了後の配当弁済

     公告期間が満了すると、限定承認者は期間内に申し出た債権者や別途に知った債権者に対して、各々の債権額の割合に応じて、相続財産の中から弁済を行います。
     このとき、債務の方が多い場合は、優先権のある債権者にまず弁済し、残りを債権額の割合で分配します。
     また、相続財産を売却しなければ弁済できないときは、競売手続をとるか、家庭裁判所が選任した鑑定人による評価額を相続人が弁済しなければなりません。
     このように限定承認を行った場合の手続は破産手続きと同様非常に煩雑で一般の方にはとても自力でできないものですから、限定承認を検討する際には、資産と負債の比較とは別に、弁護士報酬や公告、通知、競売手続の費用なども勘案しておかなければなりません。
     

相続放棄・限定承認をする場合の留意点

すでに述べたことも含め、相続放棄や限定承認をする際に、必ず注意しなければならない点を、下記にまとめておきました。
  • 単純承認とみなされる行為に注意! 【相続放棄・限定承認】
     民法第921条には法定単純承認として次のように定められています。
     <法定単純承認(民法第921条)>

    第921条 次に掲げる場合には、相続人は、単純承認をしたものとみなす。
    1.相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。ただし、保存行為及び第602条に定める期間を超えない賃貸をすることは、この限りでない。
    2.相続人が第915条第1項の期間内に限定承認又は相続の放棄をしなかったとき。
    3.相続人が、限定承認又は相続の放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。ただし、その相続人が相続の放棄をしたことによって相続人となった者が相続の承認をした後は、この限りでない。
    • 第1項の処分とみなされる行為(単純承認となる)
      • 遺産の一部(例.マンション)の売却
      • 故人が賃借していたアパートの解約
      • 私的消費のための銀行預金の引出
      • 故人の借金や保証債務の全部や一部を支払った
      • 常識を越える葬儀費用の支払いのための預金引出
      • 建物の賃借人に対する賃料の支払い請求
      • 貸金債権の取立
      • 銀行預金口座の相続人名義への書換
      • 宝石貴金属など高価な遺品の形見分け
      • 電話加入権の相続人名義への書換
        (ただし、加入権が高価値だった頃の判例)
         
       相続財産の管理者として行う管理行為の範疇を越えるものは、処分行為(所有権を移転させる、滅失させる等、物の本質を変える行為)と呼ばれ、確実に、単純承認とみなされる行為となります。
       財産の売却だけでなく、賃貸借を解約することなども処分行為に含まれます。故人が賃借していた借家などは、大家の方から没後の家賃不払などで一方的に解除してもらうしかありません。また、そのような際でも返還される敷金を受領しないよう気をつけなければなりません。
       
    • 第1項の処分とみなされない行為(単純承認とならない可能性有)
      • その財産を保存するために必要な行為
      • §602条の期間を越えない短期賃貸借
      • 財産価値のない古着の形見分け
      • 過失による財産の滅失毀損
      • 収穫期の農作物の収穫、換価
      • 通常額の葬儀費用のための預金引出
         
       処分行為であるか管理行為であるかはケースごとに判断されますから、処分とみなされなかった判例のケースと、状況が完全に同じでなければ安心することはできません。
       処分であると主張するものが誰もいなければ問題はないのですが、債権者という「相手」がいるわけですから、状況が少しでも違えば処分だと主張される可能性があります。相続放棄や限定承認をするならば、相続財産には一切、手を付けない気構えが必要です。

       例えば相続放棄であれば、故人が借家住まいで没後の家賃が発生しても放棄している以上は相続されないわけですし、大家から人道上荷物を引き払えと迫られるより、その家具などが財産価値のあるものだと債権者から主張されることの方が深刻である旨を理解していないといけません。
       万一何がしかの理由から家具を預かることを余儀なくされたような場合でも、相続財産管理人に就任し財産目録にも記載した上で別途レンタルスペースでも借りて自己の財産と明確に区別して管理するぐらいの周到な配慮が必要です。
         
    • 相続放棄や限定承認は必ず熟慮期間内にすること(第2項)
       相続放棄と限定承認は、どちらも3ヶ月間の熟慮期間内に行う必要があります。この期間が過ぎれば単純承認となることは、既に述べたとおりです。
       ただ、非常に特殊な事情があって債務の存在を知らなかったような場合に、極めて稀に債権者からの催告が来た時を起算点とできることがあります。
       
    • 背信行為をしないこと(第3項)
       相続放棄や限定承認の後においても、次のような場合は相続放棄や限定承認が無効となり単純承認したことになります。
      • 相続財産を隠した
      • 密かに自分のために消費した
      • 存在を知っていたのに故意で相続財産目録に記載しなかった
         
    • 相続財産とみなされない財産
       次のようなものは、もともと被相続人の相続財産とみなされません。
      • 祭祀財産(墓地、墓石、仏壇など。)
         これらは祭祀主宰者に受け継がれますので、相続放棄をした方でも受け継ぐことができます。
         ただし、投機目的の高価な仏像などは相続財産とされます。
      • 香典
         葬儀参列者から遺族や祭祀主宰者への贈与扱いとなります。
        判例通説では香典は葬儀費用を賄うものとされ、香典で賄えない葬儀費用は相続財産で支払われます。
      • 受取人が被相続人以外である生命保険金
         受取人が「被相続人」自身となっている生命保険金は相続財産に含まれますが、受取人が「妻・子」などの「相続人」その他被相続人自身以外となっているときは相続財産に含まれません。
         これらは相続放棄などをしても受取ることができるわけです。
      • 死亡退職金
          故人の勤務していた会社の就業規則や労働協約により、遺族の生活を保障するため、直接相続人に支払われるものです。
         
  • 相続放棄や限定承認の撤回はできない! 【相続放棄・限定承認】
     相続放棄や限定承認は撤回ができないことが、民法919条に定められています。
     いちど放棄や承認を行うと、たとえ熟慮期間内でも撤回することはできません。

     ただし、制限能力や詐欺・強迫により取消しすることは可能です。この取消しは追認できるときより6ヶ月で時効となり、除斥期間は放棄や承認をした時から10年と規定されています。これらの取消しは家庭裁判所に申述して行います。
     
  • 次順位の相続人に通知すること! 【相続放棄】
     相続放棄をするとき、一般には相続人調査をして全ての法定相続人を確定し次順位の相続人が揃って相続放棄します。
     債権者が次順位相続人を所有者として相続登記未了の不動産に対して競売手続をとるため代位による相続登記を行う際などに家庭裁判所から相続放棄の申述のない旨の証明を取るとき、次順位相続人自身が相続人となったことを知っていることを証明する必要があり、債権者は次順位相続人宛に内容証明郵便による請求を行います。

     突然債権者から弁済を請求されることは、自分が相続人になったことを知らない次順位相続人にとっては、青天の霹靂のことでしょう。
     相続放棄を行う推定相続人が子であれば、祖父や叔父などに自分が相続放棄をする(あるいはした)ことと、相続が次順位者に移ることを伝えるべきです。次順位者が亡くなった時にふたたび相続人となる可能性もあるのですから。

     また、先の民法第921条第3項但書との関連で、通知後、次順位相続人が相続の承認をするようなことがあれば、法定単純承認が成立する余地はなくなり、相続放棄が完全に確定します。
     
  • 限定承認するときは慎重に! 【限定承認】
     相続で、限定承認を選択する際は、とくに慎重を要します。
     よくインターネット上などで「資産と負債のどちらが多いかわからないときは、限定承認をすればいい。」という記載がありますが、これは「故人の債務の存在について係争中である」とか「期限の迫っている保証債務があり、債務者本人が弁済すれば債務が解消する」などの理由から、清算の結果、多額の積極的財産(プラスの財産)が残る可能性がある時のことを意味します。

     つまり、「資産額と負債額が拮抗していて、どちらが多いかが微妙である」ような際は含んでいませんのでご注意ください。
     そのような際は、相続放棄した方が有利な場合が多いからです。

     限定承認を考えられる際は、徒労とならないよう、資産額と負債額の他に以下のような観点も含めてご検討されるべきです。
     
    • 限定承認は所得税対象となる
       限定承認をされると、税法上、被相続人から相続人に対し譲渡が行われたものとみなされ、相続人に所得税が掛かってきます。
       この所得税は、相続税評価額ではなく「時価」として計算されます。また、清算の結果、実際には売却せずに済んだ資産があったとしても、遺産の全てを売却したものとしての譲渡所得課税が行われます。

       これは被相続人に対し課税されるもので、その申告は相続人が被相続人に代行して行う準確定申告により行わなければなりません。
       準確定申告には「相続人が相続の開始を知ってから4ヶ月以内」に行う必要があり、この期間を徒過すると無申告加算税がかかってきますので注意しなければなりません。

       また、単純承認の場合は、相続人が居住用資産を譲渡した場合の特別控除などの特例が受けられますが、限定承認においては売却したのが被相続人となるため、このような控除も受けられません。
       
    • 限定承認の手続自体に費用が掛かる
       限定承認は前述(限定承認後の手続の流れ)しましたように、申述後も一般の方ではとても対応できない多くの手続を必要といたします。
       限定承認手続自体や競売に係る弁護士等の報酬や、官報による公告などの費用も勘案しておかなければなりません。公告費用は数万円程度見ておけば十分ですが、報酬は資産の額によって最低数十万から数百万円はみておかねばなりません。
       
  • 必ず、専門家に意見を求めること! 【相続放棄・限定承認】
     インターネット上の情報によって、ご自分で判断されることはたいへん危険なことです。

     当サイトでもそうですがインターネット上の情報は、経験や法律・判例・慣習などをダイジェストとしてまとめたものに過ぎません。
     相続が発生した際は、当センターに限らずとにかくどこでもいいですから、必ず相続の専門家にご相談になられることをおすすめいたします。

     もちろん、ASC申請支援センターでも相続のご相談を承っていますので、何なりとご相談ください。
 相続における戸籍調査では、故人の出生(実務上は子を儲けることが可能な年齢)から死亡までの人生の全てを調査いたしますから、親族のプライバシーの保護には慎重を期さなければなりません。
 相続調査を主に扱う行政書士や弁護士、司法書士などの士業に直接依頼される場合には、それぞれの資格における法律上の「守秘義務」が定められているので安心ですが、預金名義の書換等で銀行等に頼まれる場合は注意が必要です。このような場合でも銀行を通じて専門家が調査を行うことになりますが、実質上、企業の社員にプライバシーが伝わることは否めません。ご納得の上でなら全く問題はありませんが、支障があるような際は専門家に遺産分割協議書など必要書類を作成・収集させた上でご提出なさることをおすすめします。

 もちろん、ASC申請支援センターでは、守秘義務のある行政書士や司法書士が業務を遂行いたしますので、安心してご相談ください。

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