帰化申請書類完備条件/帰化申請の条件(帰化要件)

 帰化申請書類は完全に揃っていないと受付けられません。帰化申請の条件(帰化要件)の審査以前の問題として、様々な帰化申請書類及び帰化添付書類の完備が必要です。帰化申請書類完備条件について、このページで説明をしております。

帰化申請書類完備条件(帰化申請の条件)の条文

国籍法施行規則第2条2項

第二条  帰化の許可の申請は、帰化をしようとする者の住所地を管轄する法務局又は地方法務局の長を経由してしなければならない。

2 前項の申請は、申請をしようとする者が自ら法務局又は地方法務局に出頭して、書面によつてしなければならない。

 

国籍法施行規則第2条3項

3 申請書には、次の事項を記載して申請をする者が署名し、帰化に必要な条件を備えていることを証するに足りる書類を添付しなければならない。

一 帰化をしようとする者の氏名、現に有する国籍、出生の年月日及び場所、住所並びに男女の別

二  父母の氏名及び本籍、父又は母が外国人であるときは、その氏名及び国籍

三  帰化の許否に関し参考となるべき事項

国籍法施行規則第5条

第五条  届書又は申請書の添付書類が外国語によつて作成されているときは、その書類に翻訳者を明らかにした訳文を添付しなければならない。

 

帰化書類完備条件(帰化申請の条件)の解説

帰化申請書類に不備があると受付自体できません

 あたりまえのことですが、帰化申請書類(作成する申請書と、収集して添付する添付書類)の全てが完全に揃っていなければ受付がしてもらえません。

 もちろん、少しずつ揃った分だけ提出することなど許してもらえず、申請時(帰化受付時)に「全ての」帰化書類が完備している必要があります。それが上記の国籍法第2条3項が意味するところです。

 ところが、あたりまえのことにも関わらず、帰化を希望される方の多くが、このことによって受付を拒否されて出直している現実があります。とくに自分で申請される方においては1,2回の書類点検でOKになることはめったになく、このハードルを越えることが帰化申請の最も基本的な条件といえるでしょう。

 取り下げランキングの筆頭が「身分関係の齟齬」にあるとすれば、受付拒否ランキングの筆頭がこの「帰化申請書類の不備」なのです。

よく言われる「フィルタリング」などでは決してありません

 帰化できない人の割合が実際には2,3割はあるのに、不許可者数が申請者数の数パーセントであるのは、

1.帰化申請書類の不備や、帰化条件についての事前聴取において受付にされない事案

2.受付後に、許可の見込みがないために取り下げを促される事案

の存在が要因となっていることは間違いないことです。

 しかしながら、政治的なミスディレクションを扇動しようとする不埒な者(それは日本国民の主権を脅かす存在です)の多くが取り上げるように、フィルタリング(不許可隠し)であったり、申請者いじめであったりすることなど100%無いと、年がら年中、帰化申請に従事している立場から断言・証言できます。

 法務局は日本国民の主権を守るために最低限の努力を行っているだけです。全ての審査は、日本国と日本国民のためにあります。だいいち、書類の不備がなきよう努力することも怠るような申請者が許可されてよいはずがありません。一方で、努力を惜しまない真面目な方には、法務局は人情深くとことん付き合ってくれるほど、人間味がある唯一の役所です。

 帰化申請書類の収集が大変に感じられるのは、申請者自身に問題があるからなのです。

帰化申請者に問題があると帰化書類の収集が大変になります

 帰化申請における必要書類については、全国版の「帰化申請の手引き」には抽象的な内容が含まれていますので、法務局や地方法務局ごとに手作りの、大抵は「帰化申請書類一覧表」と名付けられた書類を渡されます。

 この帰化申請書類一覧表には、各法務局、各地方法務局とも約60種類程度の書類が記載されており、大抵の方は初めて見たときにはあまりの数の多さに気が遠くなられます。

 しかしながら、真面目に暮らしておられる方にとってみれば、仕事を数回休んで真剣に取り組めば、集めることが不可能とまでいえる書類では決してありません。普通に暮らしている限りには、取得が極めて困難といえる書類はそれほどないのです。

 ところが、(大事な申請だというのに書類を集めることすら億劫なほど)怠惰な性格の持ち主である方や、過去に生活を(生計面・素行面から)律して暮らしてこられていない方、身分関係や納税などのさまざまな届出・申告を懈怠されて来られた方にとっては、非常に取得が困難またはできないようにこれらの書類は選定されてあります。

 例えば、申請前の数年間に転職をしているのに転職前の会社の源泉徴収票を転職後の会社に提出して一括年調を行っていないにもかかわらず確定申告をしていない人は、その年度の正確な年収や年税額さらに正確な税金を納めた事を証明する書類が提出できません。この証明書なしには、帰化申請が受け付けられることはありません。不正確な内容の源泉徴収票や、不正確な内容の市町村・都道府県民税納税証明書などでは、いくら添付したところで国籍法施行規則第3条2項に定められた「帰化に必要な条件を備えていることを証するに足りる書類」とはならないのです。

「帰化に必要な条件を備えていること」を証さねばなりません

 このように、国籍法施行規則第3条2項が意味する重要なことは「帰化に必要な条件を備えていること」を証するに足りる書類を添付しなければならないということです。

 帰化の初回相談で渡される約60種類に及ぶ帰化申請書類一覧表は、単に最低限必要な帰化申請書類一覧であり、決して「これだけ揃えれば、帰化申請が受け付けられる」という十分条件としての書類を示したものではありません。

 法律上は、この第3条2項にあるように「帰化に必要な条件を備えていることを証するに足りる書類」としか定められていません。全国版の手引き上で、抽象的な表現を含まざるを得ない理由はそこにあります。本来なら申請者本人が「帰化に必要な条件を備えていることを証するに足りる書類」とはなにかを自分で考え添付しなければならないところ、それでは専門家以外申請することはできなくなりますから、法務局や地方法務局で便宜的に帰化申請一覧表を作成してくれているにすぎないのです。

 ですから、帰化申請書類一覧表から指示された書類の「内容」を確認した結果、条件を満たしているかどうか判明しない場合には、追加の書類を要求されることも、しばしばあります。

 さらに「内容」によっては、「帰化に必要な条件を満たしていないことを証するに足りる書類」となりますので、提出してしまった後ではもう後戻りできません。必ず、「提出する前」つまり「受付前」に、ポイントを全てチェックしておく必要があります。

帰化申請書類はポイントのチェックが終わってから作成する

 帰化申請書類は、添付する全ての書類の内容と整合していなければなりません。ですから、ポイントチェックが終わってから書き始めることが必要です。添付書類の収集も終わっていないのに帰化申請書類を作成することなど、さらに言語道断です。

 帰化申請は、添付書類が揃っていない場合だけでなく、帰化申請で作成する書類の記載内容に「虚偽」や「重要な間違い」があると、もちろん許可されません。

 ちなみに、添付書類の不備は”受付拒否”となりますが、申請書類の記載内容の「虚偽」や「重要な間違い」は受付時には発覚せず、”取り下げ”、”不許可”という結果となり、さらに判明したのが帰化許可後であっても、法理上は”帰化無効”や”帰化取消し”の対象となりますから、書類作成は慎重に行わなければなりません。(注.ただし、許可となった以上は、単なる条件背反のみによる無効は法理上もありえず、職権による取り消しも現時点では過去に例がありません。しかし、違法が重大且つ明白である場合には、法理上、帰化無効も帰化取消しもありえます。)

 あたり前すぎるくらいあたり前のことなのですが、最近ご自分で申請される方の中には、いい加減に申請書や履歴書、生計概要などを書いてしまい、このあたり前すぎるくらいあたり前のことが原因で許可されない例が、実際に増えています。

 もともと帰化申請は、人生の一大事として真剣に取り組まれる方がほとんどだったのですが、チャレンジ程度にしか考えていない人々が出現してきたことが、その原因なのかもしれません。

帰化申請の受付は、本人出頭が必要

帰化申請の本人出頭は国籍法施行規則で決められています

 これは帰化条件の話題ではないのかもしれませんが、国籍法施行規則第2条の解説ついでに申し加えておきましょう。

 上記の国籍法施行規則第2条2項には、「(帰化の)申請をしようとする者が自ら法務局又は地方法務局に出頭して、書面によつてしなければならない。」とあります。

 当センターにご依頼をいただいた場合には、一番大変な事前の書類点検は法務局が許す限り全て当センターが代行し受付内定までは漕ぎつけますが、この条文があるため受付当日には15歳以上の全ての申請者本人が出頭しなければなりません。15歳未満のお子様については法定代理人が第四条の規定通り法定代理人の資格を証する書面を添付して行います。

 しかし、それまでの法務局との折衝において書類の内容は十分に確認が済んでいますし、また何よりも帰化申請書の作成までに添付書類の内容や、日本に帰化するための姿勢や生活態度・状況そのものを正していますから、受付当日はほとんどの場合、あっさりと短時間で済むことが多いです。ただ、稀に帰化申請者数の少ない地域では「帰化だけを扱っている」部署や職員さんは居ませんので、大阪のようにポイントのみ素早くチェックするというわけにもいきませんから、受付時に数時間から一日かけてチェックするきまりとなっている地方法務局やその支局がありますことをご了承ください。

 

<行政書士事務所ASC申請支援センターの帰化申請相談会について>

帰化申請や国際結婚の際などの在留資格認定についてご相談は一生に関わる重大事ですので「面談にてのみ」相談を受けております。

とくにASC申請支援センターからの申請をされる予定の方については、毎週土曜日の相談会に参加することができます。

毎週、午後1時、2時、3時、4時の四組のみですので、必ず電話予約の上、ご参加ください。

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