死亡した外国人に係る閉鎖外国人登録原票の写しの請求権限者と代理人

死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの交付制度ができた所以

 本来、個人情報保護法に基づく開示請求というのは、生存者のみを対象としている法律ですので、海外退去によって閉鎖された外国人登録原票を除いては、死亡によって閉鎖されることの多い閉鎖外国人登録原票を、個人情報法後法に基づいて開示請求することはできません。
 これは、平成24年7月9日以前も、以降も、変わりない法律上の決まりです。

 しかし、これまでは市区町村が窓口となって発行をしてくれましたので、行政証明としての外国人登録原票記載事項証明書交付の一環として、外国人登録原票の写しを交付してくれていましたので、閉鎖外国人登録原票や書換前外国人登録原票も、実質的に交付してくれていました。
 ただ、一部の市町村窓口で外国人登録係の職員が不勉強で閉鎖原票や書換前原票が個人情報保護法によってしか発行できないと思いこんでいる場合や、市区町村自体が行政証明としてのそれらの外国人登録原票の交付を行わない決まりにしている場合には、請求権者についての扱いにバラツキがあったのは事実です。

 ところが、今後は外国人登録法そのものが廃止されますので外国人登録法に基づく請求はありえません。つまり、「外国人登録原票記載事項証明書の一環として」などというようなヤワなことは言えませんから、個人情報保護法に基づく開示請求しかできなくなり、生存している外国人の法改正による閉鎖原票以外の、「死亡による閉鎖」原票については請求権者がほとんどいなくなるところでした。

 しかし、相続の際など、外国人登録原票でしか疎明できなくなるような事実もありますので、行政証明としての交付を行うことを「特別に」法務省が決定し、次の者に対しては、交付請求を行えることとしました。
 それが、28日付けの「死亡した外国人のみについて」、わざわざ写しの請求を新書式を作成し発表した所以です。

死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しの請求権者

1.行政証明としての請求権者
(1)請求に係る死亡した外国人の死亡の当時における同居の親族
(2)請求に係る死亡した外国人の死亡の当時における配偶者(婚姻の届出をしていないが,事実上婚姻関係と同様の事情にあった者を含む。),直系尊属,直系卑属又は兄弟姉妹

2.個人情報保護法に基づく請求権者
(1)自分の個人情報が請求される外国人登録原票に含まれている者
つまり、厳密に言うと外国人登録原票の(18)(19)欄に氏名がなければ難しいということです。

死亡した外国人に係る外国人登録原票の写しについての代理人

 「死亡した」外国人の方の外国人登録原票の写しの請求については、法定代理人以外の代理は予定されておらず、上記の請求権者の任意代理はできません。
 本来、死亡した者にしかない請求権を、死亡した者の代理人として、上記の関係人にまで広げたので、死亡した者が復代理を望んでいたわけではないという理屈であるようです。

 そのため、これまで市区町村で請求してきたように、行政書士等が委任状によって代理請求することができなくなりました。
 今後は、行政書士の業としての申請アドバイスにより、本人自身が請求を行うことになります。

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参考リンク:帰化申請必要書類(添付書類)

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」