二重国籍の方の国籍選択の宣言は帰化申請より慎重に

 帰化申請の際の国籍条件でも採択されているように、日本国は二重国籍を認めていません。
 二重国籍を認めてしまうと、日本の主権も、日本の国自体も、崩壊してしまうからです。
 日本国民の全員にとって、日本国民であることが「無」になってしまうのです。

 国籍法第14条第1項においては、未成年の間に二重国籍になった者は22歳までに、成年した以降に二重国籍になった者はその時から2年以内に国籍を選択しないといけないと決められています。
 なお、帰化申請では、帰化により二重国籍となる場合には原則帰化申請がもともと受け付けられませんから、ほとんどの場合、帰化が許可になった人は二重国籍の事は考えなくても構いません。
 一方で、国際結婚の夫婦から生まれた子供などでは多くのケースで二重国籍となるので、国籍法第14条第1項にあるとおり国籍を選択し、日本の国籍を選択する人は、外国籍の離脱の手続きを行うか、日本国に対し日本の国籍選択の宣言をしなければなりません。

 国際結婚の夫婦から生まれた子供などで二重国籍となってしまった場合には、日本国内の市区町村などに出生届を提出する際に、地方自治体の職員から、二重国籍の際の国籍離脱の義務の説明とともに、「15歳までに行う場合には法定代理人が行う」という旨の国籍法18条の規定を説明されることが多いようです。
 中には「15歳までなら父母がしてあげることができるんですよ。」とか「15歳までにしてあげたほうがいいですよ。」と、いとも簡単に勧められる場合もあります。

 しかし、戸籍法第104条の2に定められた手続によるこの国籍選択の宣言は、冒頭に述べた通り日本の国にとっては非常に大切なことであり、地方自治体の職員が勧めるのも職務上褒められるべきことではあるのですが、実際に国籍選択の宣言をした当の個人にとっては、それ以降の人生に多大な影響を与える可能性のある問題を含んでおり、むしろ帰化申請よりもよほど慎重に考える必要があります。
 届出自体は、山のような書類を提出しなければならない帰化申請に比べれば、紙一枚で済んでしまう日本国籍の選択の宣言届ですが、本来その意味合いは重たいものなのです。だからこそ、国籍法にも戸籍法にも、わざわざ法律の条文が作られているのです。

 どのような問題があるのかは、人権に関する熟考や配慮が必要な話となりますので、インターネットなどで公には記載することができませんが、どうしても国籍選択の宣言を行う場合には「絶対に、絶対に」専門家などに実情をお聞きになってから行うようになさってください(非常に大事な事なので、稚拙ながら「絶対に」を繰り返しました)。

 どうしても、当センターにご相談をされる場合には、人権に関する配慮やコンプライアンス上の正確な理解が必要となりますので、面談でしかこの話についてはお話しできません。たとえ簡単なご質問であったとしても、お電話では一切お答えできませんので悪しからずご了承ください。

 また、国籍選択の宣言に関する面談でのご相談は有料となり、1時間につき5400円の相談料が発生しますし、「意見」を求められても、どうすればよいかとか、どうすべきかといった指導はできません。
 お話しできるのは、法律上と、実務上で、どのような取り扱いになっており、どうすればどうなるか、という実務例を詳しくご説明するにとどまり、現実にどうなさるのかは、結局は本人自身が自己責任で決めていただくことになります。

 にもかかわらず、それでも、どうしても、ご相談されたい方は、有料相談の予約をとって下さい。

> 二重国籍者の国籍相談

 

参考リンク:
認知された子の国籍取得の届出

戸籍父母欄の訂正の申出

帰化申請の国籍条件

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」