先日、本名の印鑑を所持していない特別永住者の方は、近いうちに帰化申請を考えているならば、本国戸籍(家族関係登録簿記録事項証明書)の取り寄せ上、みなし特別永住者証明書(旧、外国人登録証明書)のままにしておいた方が有利という話をいたしました。
しかし、帰化申請を前提に考えるならば、もっともっと深刻な事があります。
新しい在留制度が始まった事をきっかけに、帰化申請の添付書類が変わり、帰化申請条件自体も厳格化されました。ASCでは、これをナナテンゼロキュウ帰化申請と呼びます。
ナナテンゼロキュウ帰化申請においては、一部適用を受けないラッキーな申請者も居るものの、多くの帰化申請者が閉鎖外国人登録原票や書換前外国人登録原票の開示請求をしなければならなくなったわけですが、この開示請求が厄介な代物なのです。
これまでも、帰化申請で閉鎖外国人登録原票や書換前外国人登録原票の開示請求を添付しなければならないケースというのは少ないながらも存在しましたが、ナナテンゼロキュウ以前においては地方自治体の市民課などの外国人登録係の担当者が、代わりに法務省に対して、写しの請求をしてくれていたので、帰化申請者自身にはそれほどのストレスを与える作業ではなかったかもしれません。
しかし、代わりに請求してくれていた外国人登録係自体、世の中から存在しなくなりましたので、これからは行政書士に依頼しない限りは、非常に大変な作業をしなければならなくなりました。一応は、やり方を法務局が教えてくれるのですが、実は、この公表されている書式とやり方通りに進めていくだけでは、もともと外国人登録係が行ってくれていた開示請求がスムーズに進むための様々な作業は含まれていないため、恐ろしいくらい開示に時間が掛かることも予想されます。
そして、そのことを除いて考えたとしても、外国人登録証明書にあった情報の中には開示請求に欠かせない情報が含まれていますので、それが特別永住者証明書に置き換わってしまった際に、検索が大変になってしまう重要な事項が失われてしまうのです。
もしも、どうしても「みなし」が嫌で、特別永住者証明書に変えたいというような方は、引換交付に至る前に、必ずみなし特別永住者証明書の表裏のコピーを「綺麗な」コピー機で撮った上で、念のため、全部の事項が読み取り可能か、コピーをじっくり読んでおいて下さい。
いずれにしても、「俺は一生、帰化申請なんかしねえ!」という気持ちのある方以外は、今後は早めに帰化申請をしておいた方が良い事は、間違いの無いことです。
本当は、ナナテンゼロキュウまでに帰化しておいた方が、もっと良かった!
参考:在日韓国人の帰化申請
参考:在日朝鮮人の帰化申請
提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」