定額小為替は帰化申請必要書類の収集に欠かせません

 帰化申請の必要書類を収集する際に、定額小為替の準備は欠かせません。

 行政書士でも帰化申請に慣れていない間は、様々な市役所・区役所の市民課窓口を巡回して書類を集めることの方が主となっている事務所が多いと思いますが、段々と多忙になって来ると、どうしても窓口に行かなければならない理由が無い限りは、帰化申請書類の収集を全て郵送請求で行うようになります。近場の役所であっても、郵送請求で済ませます。
 なぜかと言えば、その方がコストカットとなるからです。郵便料金に定額小為替手数料を加えた額と交通費を比べただけでもコストに差がつくのですが、それ以上に人件費の差が歴然としているからです。

 開業した当初は手間に感じる郵送請求ですが、段取りのルーチンワークを確立させれば、交通による移動時間+役所での請求書類作成時間+役所での待ち時間と比較すれば、事務所で落ちついて手際良く行う請求書類作成時間のみで済む帰化申請書類の郵送請求の方がはるかに短時間で済みます。特に当センターについては法務局の隣なので、郵便ポストはほぼ事務所前にありますからなおの事なのです。
 どうしても窓口に行かなければならない際でも、請求書類は事務所で作成して役所に到着するなり提出します。その方がよほど落ちついて短時間に書けますし、見た目も綺麗で、請求内容も丁寧な交付請求書となりますので、市民課が検索したりする際に間違いが無くスムーズに流れ、待ち時間も少なくて済みます。

 当センターが大昔に帰化申請料金の価格破壊を行ない、約25万円から30万円程度が相場だった帰化申請を20万円弱程度に引き下げたのは、これらのコストカット策によって実現したのですが、最近は人件費や事務所経費を計算に入れずに、単に「なんとなく」ネットで見た値段の「少し下」で価格設定する事務所が増えて来て、行政書士サイトを開いては大抵数年で泡のように消えて行きます。

 「収入0」と比較すれば「仕事があるだけマシ」と割り切ってサイトを開くのでしょうが、事務所経費を計算しなければいつまで経っても、出張訪問(出張受任は違法)の自宅開業か、辺鄙な場所でビルの共同会議室や自宅の応接間に事務所の看板を置いてウェブ用の写真撮影をするという状況を脱することはできませんから、申請者にも見破られて売上も安定しないですし、人件費を考えていないと、時給1000円とかの、それも単発のアルバイトと変わりない暮らしが続くだけなのですから、廃業して消えて行くのも仕方ありません。
 日本の書類取得を別料金にしたり、日本の役所に支払う手数料を別に取ったりして、安価に見せかける手法もありますが、住民票や届書の写しなどの自治体手数料込みの値段を提示している申請支援センターの方が結局は割安だったりします。

 行政書士を開業する方は、自分の未来像をきちんと描いて、その絵を実現する為にはどのように仕事を創っていくか、どのように料金を設定するかを考えないといけません。それが生き残るただ一つの道です。未来像がいつまでも、アルバイト行政書士や、趣味行政書士や、主婦行政書士のままなら、はよやめなはれ、と申し上げておきましょう。

 前置きが長くなりましたが、定額小為替の話です。

 ナナテンゼロキュウ以前は、外国人登録原票記載事項証明書という壁がありましたので、完全に全ての書類を郵送請求で行うことはできませんでしたが、在留制度改正以降は、外国人登録原票というものが世の中から消滅し、閉鎖外国人登録原票の写しでさえ地方自治体が窓口になってくれなくなり郵送請求でしか取得できなくなりましたので、逆に帰化申請書類は完璧に郵送請求のみで揃えられるようになりました。

 これまでは、外国人登録原票記載事項証明書の出頭請求の都合上、同世帯家族の住民票と、市府民税納税証明書については、ついでに役所窓口で取得していましたが、今後は住民票も郵送請求するようになります。

 このため、もともとナナテンゼロキュウ以前に揃えていた定額小為替は、450円、300円(これは足して750円となります。いくら定額小為替手数料が半分で済んでも1枚で750円の小為替は役所とのやり取りをスムーズに進めるためによほど取る除籍が確定している場合を除いて使いません)、350円を、常時10~15枚程度用意していましたが、今後は住民票取得のために、200円、250円、400円なども用意しなければなりません。住民票は自治体自身が手数料を決めるので、戸籍関係書類のように日本全国同一料金ではないからです。ただ、400円というのは200円2枚分という意味です。600円小為替があればもっと都合が良いのですが、これは発行されていません。この400円とか600円の話にピンと来る行政書士が現時点でどれだけいらっしゃるのか楽しみですね。

 定額小為替は原則6ヶ月以内に使い切らなければならず、300円小為替が出戻りを繰り返して危うくなることが多かったのですが、今後は住民票の請求に使いますから、少し気が楽です。たまに、届書の不見当証明が有料の行政証明となり50円の端数為替を返されると300円に足して使うのをつい忘れているうちにお釈迦にしてしまうことがあります。

 郵政民営化とともに、定額小為替料金が10倍になりましたが、今後、在留制度改正以降の帰化申請によって、さらにゆうちょ銀行を儲けさせてあげましょう。
 ただ、欲をいうなら、定額小為替発行を切手や収入印紙と同じように郵便局に移管して5時まで延長してもらうか、レターパック・切手・収入印紙のようにコンビニで扱って欲しいところですね。
 運悪く定額小為替のストックを切らせてしまっていると金曜日に請けた仕事のスタートが次週明けとなってしまい、ハッピーマンデー時などにはイラチが募りますし、盆正月ゴールデンウィーク前などは各種20枚くらい仕入れないと気が休まらないので困るのです。

 

参考リンク:帰化申請必要書類

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」