2016年帰化申請者数帰化許可者数帰化不許可者数が発表されています

2008年帰化申請者数帰化許可者数帰化不許可者数

2008年帰化申請者数帰化許可者数帰化不許可者数

 平成28年、つまり2016年の帰化申請者数帰化許可者数帰化不許可者数が発表されています。

 記憶では、例年3月頃に前年の帰化申請者数などが発表されるのですが、今年はよくチェックしていませんでしたが、法務省のサイトを確認するとすでに掲載されていました。文書の作成期日からすると2月頃に掲載されていたのかもしれません。

 最近の帰化申請の不許可者率の増加傾向には目を見張るものがあり、申請者はむしろ減る傾向にあるものが、不許可者数は年々増えてまいりました。

 2000年には、ついに608人。

 帰化申請においては、帰化申請時に明らかに帰化条件を満たさない申請については「帰化条件を満たして数年経過してからまた相談に来てください」と言われる事がほとんどであり、さらに法務局での審査の中で帰化条件を満たさない事が判明した場合には「このまま法務省で審査を続けても許可になる見込みはありませんから取り下げた方が良いですよ」と教えてくれますので、上記の数字は、「それでも審査を続けてください」と頑固に取り下げなかった案件という事になります。

 申請支援センターの平成27年に申請した数の中には、ちょうどその「取り下げ」を指示された案件で、本人の資質や家族の協力などから”勝算があったので”取り下げず、先日許可となったものがありましたが、これは帰化申請専門の行政書士が悩みぬいて継続審査を判断したのでたまたま幸運にも許可となったのですが、一般の案件では、取り下げ指示案件で許可となる事は0%に近いと考えてください。

 残念ながら、この案件の許可は平成29年なので、今年発表の許可数の中に入っていませんね。来年発表分を見た時に感慨深い”1″を感じる事でしょう。
 平成27年年末に申請して平成29年年明けの許可というと一般に比べて長いですが、台湾の方の帰化申請なので、帰化申請受付後に何度も法務局と話し合いをして色々と許可までの沢山の法務局との戦いがあった事を考えると、逆によくこれだけの短い期間で許可になったものだという気もします。クリスハートさんの帰化許可期間の方が米国籍なのにとんでもなく長い審査となった方がよほど不可解ですね。

 平成28年の帰化不許可者数608人の話に戻りますと、実際のところは、上記のような「取り下げ指示」を受けて取り下げない人はほとんどいません。

 取り下げずに、「不許可」となると不許可以降の帰化申請の再申請に計り知れない影響を与えるからです。
 取り下げた場合は、取り下げ事由を解消すれば、比較的短い期間で再申請をすることができるでしょうが、不許可となるとそれだけではありません。

 つまり、608人の方は、取り下げを指示されて、取り下げずに不許可となった人は少ないという事です。

 608人の多くは、取り下げを指示「されず」に、いきなり「不許可」となっていると考えます。

 単刀直入に言うと、「虚偽申請」です。

 虚偽申請の場合には、書面上、取り下げるべき部分は表面化していません。
 だから、その不許可事由についてすでに法務局は気付いていても、本人が言っていないので、それを理由に取り下げを勧めようがないのです。

 本人が意図して虚偽申請を行う場合もあるでしょうし、隠そうという意思はなかったのだが本人も虚偽に気付いていなかったものも多い事でしょう。

 でも、どちらも虚偽申請に変わりはありません。

 行政書士に任された場合でも、担当者が帰化申請の経験を誇大に吹聴していても、現実に力の無い行政書士の場合には、表面化せずに帰化申請が進んで行ってしまうのです。
 虚偽となってしまうことに気付いて叱ってくれるような行政書士でないと、安心して任せられません。

 帰化申請の依頼者に色々と細かい事を指摘するのは、面倒だし、嫌われるし、場合によっては口論になるし、正直申し上げると非常にしんどいのですが、一件一件の人生がかかっているので、口に泡を飛ばして「優しく(笑)」吠えています。

 申請支援センターの相談は、細かいですが、確実です。

 5分で許可不許可が判断できるというような嘘っぱちは、口がさけても申しません。