自分で申請されて帰化不許可となった案件の検証

 おとといの金曜日は、悲しい電話が2件ありました。

 当方に「翻訳だけ」依頼されて自分で帰化申請された方の「取り下げ」のご相談と、自分で帰化申請されて「不許可」になった方のご相談です。いずれにしても、帰化不許可とか帰化取り下げといった大事な局面での話は、とても電話でできるものではありませんことをお伝えしました。

 そのうち本日は朝から、自分で帰化申請をされた結果、不許可通知を受け取られたご家庭の相談をお受けいたしました。昨年の年初に帰化申請が受付けられたそうで、面接等を経て、つい最近、不許可の通知を受け取られたそうです。不許可事案によくあるように、さんざん待たされた挙句の「不許可」のようでした。

 帰化が不許可になった場合には、一般に素人の方が自分で「ここが問題だった」と自覚している部分だけが不許可理由でない場合がほとんどなので、必ず慎重に本当の不許可理由を探る必要があります。もちろん、次の帰化申請までの期間を「最短」にするためのアドバイスをする為です。

 プライバシーに関することなので、詳しい内容は一切お話しできませんが、私が聴取した限りでは素行条件上の問題点が積み重なって不許可判断となったものと思われます。

 ただ、残念なことにひとつひとつの問題点は、本日聴取した限りでは「決定的」とまで言えるほど大きな瑕疵とは言えないものばかりで、総合的にブラック側に判断されるグレーと認定されたのであろうことと、その問題点に対する法務局との受け答えの中で「隠し事がある」「虚偽である」と判断されたものと考えられました。

 もっと残念なことに、それらの問題点のほとんどは、帰化申請前に自ら正して申請をして、さらに面接前に行政書士のアドバイスを受けていれば、たぶん乗り切れたのではないかと存じます。

 実際、一昨年に当方から申請した案件の中に、今回のケースと非常によく似た案件があり、帰化申請の直前に修復もして、もっと大事な事は修復をしたことも隠さず話して、進めて行った帰化申請がありました。事前の修復など色々と手を打ったものの、受付から面接を通じて、ほんとうにしつこいくらい法務局から細かいチェックが入って心配したものの昨年無事に許可となりました。もう本人自身が疲れられて法務局から言われてもいないのに「取り下げ」を考えられたくらいでしたが、松岡正造よろしく「あきらめるな!」と言い続けた案件でした。途中から本人からの連絡が途絶え、もう取り下げてしまわれたのじゃないかとさえ思っていましたから、許可になった時は、本人からは非常なる感謝のお言葉をいただきました。本当に私も嬉しかったです。

 今日来られた方も、全体的には決定的に不真面目な方ではなかったので、僭越なことですが、私が鍛えて差し上げていれば、きっとうまく行ってたのではないかと思います。

 たら、とか、れば、ばかり言っていても仕方がないので、これから「次回の」帰化申請のために前向きにどう取り組めばよいか、本人がするべき具体的な行動指針を教えて差し上げたので、それをこなしていかれれば比較的近い時期に帰化の再申請ができるものと期待しています。