法律上の帰化条件を満たしていても申請できない事もある

 申請支援センターの帰化申請ブログを読んでいる方なら帰化が許可になる為には国籍法上の条件を満たしていないといけないことはおおよそご存知の事と拝察します。

 帰化申請では原則、住所条件・生計条件・素行条件・能力条件・国籍条件・思想条件という国籍法5条に定められた条件を満たさなければなりませんが、5条条件を満たしていても帰化申請が受け付けられなかったり、不許可・取り下げとなることがあります。

 国籍法5条以外の法律上の条件も存在しますし、法定条件以外の条件もあります(ただ、厳密にいうと行政行為は全て法定条件に該当するからこそ不利益な処分がなされますので、本当は全て何かに当てはまっています)。

 法定条件以外の条件のひとつで、かなり深刻な事態に発展することが多いのが、身分関係の齟齬に関するものです。

 代表的な事案は、日本や韓国の届出上で真実の親とは違う人の子供となっているようなケースです。また、一見何の問題もないように見えて、戸籍や届の内容をじっくり読んでみると、法律上の問題が見えてくる事もあります。

 今日の土曜帰化申請相談会にお越しいただいた方々の中にも、奇しくも2組の方が身分関係の重大な齟齬がありました。

 齟齬がある場合には、その齟齬のパターンによって、帰化申請が受け付けられる前に裁判を要するもの、裁判に至らずに済むものがあります。

 今日の方はどちらも裁判に発展する可能性を秘めた齟齬の内容なのですが、ただ今日の時点では「100%裁判を要する」とまでは断定されないケースですので、まだ救いがあります。

 どちらの帰化相談者も委任状を書いて依頼して帰られましたので、身分関係の書類を早めに取得して状況を確認しなければなりません。
 とくに一方の方は、何とかマイナンバー制度の「通知カード」送付に間に合わせたいという希望があるので、大急ぎで動いていきましょう!