会社の営業規模が大きいと帰化条件のチェックポイントも多くなる

東京法務局への帰化申請の打ち合わせ

東京法務局への帰化申請の打ち合わせに行きました

 今日は終日、東京在住の帰化申請依頼者の方と帰化申請の打ち合わせの為の出張でした。

 もともと翻訳のご依頼をいただいた方のからの帰化申請リクエストで、真面目で裕福な方でいらっしゃることは間違いないので、簡単に1時間程度で帰化条件のインタビューをして、30分ほどで受任手続きを済ませるだろうと目論んでいました。

 遠方なので何度もお会いする機会もなかろうかと、その後2,3時間で帰化申請を進める手続きの打ち合わせもしてしまいましょう、とご本人と話していました。

 午後1時の開始ですから、帰化手続きの打ち合わせも込みで、5時から6時くらいには終了する予定でした。

 しかし、実際にインタビューを始めてみると、依頼者が多数の同族企業の取締役に就任されていることが判明しました。

 帰化申請においては、申請者が多数の企業の取締役になっている場合には、役員報酬が支払われているかどうかに関わらず、申請者が就任している「全ての」企業において経営責任を果たしているかどうか、つまり、全ての企業が法的に素行上の問題点を抱えていないかどうか及び財務上の問題点が存在しないかどうか、という事が審査されます。

 このため、帰化条件のインタビューにおいても、全部の法人の決算報告書と法人登記簿謄本の内容をチェックしながら一社一社についてお話を聞いていく必要が生じました。
 そして、結局、帰化条件をお聞きし終わった時点で夕方の5時半となっていました。

 結果は、本日時点では申請不能の部分がありますが、私のアドバイスに従って、いくつかの問題点を解消していけば、受任可能という結論に至りました。

 本当に真面目で申し分のない依頼者の方なのですが、それでも、事業規模が大きければ大きいだけ論点が増えるので、これだけ素晴らしいご家庭でも、帰化申請上の心配事が出てくるのです。

 たまに、「5分で帰化条件を判断します」と言って十分にインタビューを行わずに帰化申請を受任される事務所がありますが、それは物理的にあり得ない営業トークであり、今回のケースはそのようなところに相談されていれば、依頼後に大変な結果になっていたことでしょう。

 まあ、本日の案件は、素晴らしいご家庭なので、私の注意を守りながら、受付、面接と進めていけば、上手く進むことかと存じます。