レアな帰化申請案件での損得勘定

 今ちょうど帰化申請の点検で奈良地方法務局に来ています。
 「サクサク職員さん」と僕は呼んでいる、いつものてきぱきとした職員さんの予約を取っていますが、ちょっと早く着いたので下の階でちょこっとブログ更新です。

 今日の目的は米国人の初度書類点検です。普段から必要書類説明の事前相談には行きません。
 しかし、この方の案件で私が足を運ぶのは初回ではあるのですが、ご本人自身は何と3年前から何度か奈良地方法務局に足を運ばれていました。本人自身は3年越しの帰化申請です。
 3年前に行政書士事務所を訪問していれば、ずっと早く既に日本人になっていたでしょうね。

 3年前と言うと、特別永住者の方や中国人の方の帰化申請ではどれも良く似た内容なので、記録されている事項以外は誰が誰やら記憶の中ではわからなくなってしまうことが多いのですが、米国の方はそうは行きません。

 前にも書いたかもしれませんが米国人の帰化申請は極端に少ないです。そのため、話した内容が鮮明に法務局担当者の記憶に残っているのです。

 実際には、特別永住者や中国人でも素行や生計に関する重要事項はちゃんと記録に残されていますので、一旦法務局に行って話をした以上、二度と無かったことにはできないのですが、米国人などのレアな帰化申請案件ではさらに輪をかけて言い逃れできなくなります。

 今日の書類点検前に書き始めたブログ記事を法務局帰りに寄った生駒市役所からの帰路電車内で続けているのでもう書類点検は済んでいるのですが(笑)、今日の書類点検中にも法務局担当者の方は「物凄い精度で」3年前の聴取内容を仔細まで覚えておられました。

 ホンの数ヵ月前に私が聴取した内容と数分違わぬ内容です。本人が気持ちを語った内容や、ちょっとした不平不満、普通は記録にはとらないような機微を昨日会ったかのように話されました。細かすぎる申請支援センターの聴取と同じことが事前相談の中で行われたのでしょう。

 さすがやで、奈良地方法務局。あなどれまへんなあ。

 ただ、今回の案件に関して言えば、申請支援センターのしつこい聴取と法務局の聴取内容がぴったり一致したと言うことは、私が帰化許可案件と判断できた以上OKだということで、かえって安心できるわけです。

 逆に、法務局の記録や記憶や印象が、私のそれと違っている時には、大修理が必要と言うことになります。

 結局、レアな国籍の帰化申請では、真面目な人は更に得をするし、不真面目でええ加減な人(「うまくやってやろう」と考えるタイプの人は大抵こちらです)は更に損をするようにできているのです。