標題の「韓国戸籍に登録が無いと帰化申請ができない?」と言う質問への回答は、本来はこういったブログなどで書くべきものではないのかもしれません。
それは、記事を読んだ方が大きな誤解をした場合、将来の人生を無難に送っていく上で、大きな障害を生むことになるからです。
帰化申請ができるかどうかという単純な質問に一般論として答えるだけであれば、「韓国の戸籍、正確には家族関係登記簿上にご本人が記載されていなくても、ほとんどのケースで帰化申請の手続きを進めていけるだろう」という回答は一応は間違ってはいないと言えるでしょう。
ただ、あくまで「ほとんどのケース」であって「全てのケース」ではなく、まず「なんで載ってへんねん」と言うところからしっかり考えていかなければ帰化申請が頓挫してしまう要因を多分に含んでいるのです。
それよりもっと重要な事は、韓国戸籍が無いままで帰化申請が「できる、できない」ではなく、「韓国戸籍が無い状況をほったらかしにしておく事が、良いのか、悪いのか」という検討をしなければならないと言うことです。
単純な善悪の話ではなく、韓国戸籍が無いことが今後の人生にどのような影響を与えるのかということを慎重に考えねばならないということです。
それは、帰化申請という目先の事と何の関係も無い話です。
その上で、「この案件は絶対に戸籍整理を行ってから帰化申請をいたしましょう」とか「他の事情も考慮した中で、戸籍整理を省略せざるを得ない」のかを1案件毎に注意深く決めていくわけです。
インターネットという、家庭でポンとキーボードを叩いている気楽な検索者の方に対しては、これだけ書いてさえ、慎重さは不十分かもしれません。
検索する方の頭の中ではいったん「韓国戸籍に登録が無くても帰化申請できそうだ」という情報がインプットされた時点でそれ以上の思考は停止してしまうからです。
※帰化申請を真剣に考えている読者の事を考えるならば、「韓国戸籍に記載されていなくても帰化申請ができる」とあまりに簡単に結論付けた記事を書くことは、私自身も含めて自制しなければならないと思う次第です。
追記:
※以下の部分にはもともと、”ただひとつ覚えておくべき情報は、韓国戸籍に記載されていなくても帰化申請ができるということを簡単にブログなどでかけるような行政書士は1,000%、アカン行政書士だということかもしれません。中には、行政書士自身が「帰化申請に韓国戸籍への登録は必要ない」と盲信している場合もあり、このレベルになるともうどうしようもありません。”と書いておりそれはそれで間違ってはいないのですが、夢を持って帰化業務を始められた方が傷つかれてはいけないので自分自身への自戒の文章に替えました。
思い起こしてみれば、私も帰化申請を始めたばかりの頃に、それまで「本国に登録されていない事は、ドエライ深刻な事だ」と認識していたものが、帰化申請を進めていく上では幾つかの注意点さえ確認できていれば特に登録が無くても帰化手続きだけは進む事を知った時には単純に「韓国戸籍の登録は必要ない」と”勘違い”したものでした。
結局、「本国に登録されていない事は、ドエライ深刻な事だ」というのが正しいことだと気付くのに、ほんの少し時間が掛かったのです。
まあ、俺だってそうだったと。
ですから、仮に読まれた方が登録直後の正式な行政書士の方であったとしても、未熟な間の失敗をあげつらって、1,000%ダメな行政書士だと言われて、悲観される事のないよう、オブラートしておきます。