申請支援センターの昨日の土曜日帰化相談会でご依頼いただいた方のうち一件の方が過去に相続手続きがあった際の古い韓国戸籍謄本の翻訳を持参されていました。古いと言っても、平成11年に取得された単なる手書横書き戸籍です。
終戦後すぐに生まれた方などでは、実際に日本で生まれているにも関わらず韓国で生まれたようになっていたりするような事は日常茶飯事にあるのですが、今回は比較的若い世代の方であり、また、「同じ日本の中で」ご家族の把握と全く違う地方で生まれたことになっているのです。
まあ、経験のある事務所に依頼される場合には、「帰化申請の許可・不許可」という上では「この年代の方の場合には」あまり心配の無いことですが、このような齟齬がある場合には、多角的観点からきちんとどうすべきかという事を検討しておかなければなりません。
とくに、出生地の詳細な日本の住所まで記載された上での齟齬ですから、その”戸籍上の齟齬が起こった理由”が何なのかをきちんと把握しておかなければ、ものすごく大変なことになります。
ホームページなどを見ていると、長年にわたって帰化申請をしてきていない行政書士の中には、帰化が許可になるかならないかだけの観点からしか見えていない方もいるようです。
例えば、Q&Aなどで「Q.韓国の戸籍に間違いがあるのですが帰化申請できますか?A.帰化申請できます。」などと簡単に書くような姿勢でいる行政書士が存在するのです。
戸籍の齟齬は、本来、ものすごく重要なことなのです。
簡単に、「いい加減に登録されてしまっていました」では済ませるものではありません。
そして、その間違いとなった理由こそ、一番の焦点なのです。
私も人の事をとやかく言えるような立場にはありません。
帰化申請を100件200件やったくらいの駆け出しの頃には、軽い気持ちで考えていました。実際、齟齬なんて、気にしない、気にしない、くらいの事を言っていたような記憶もあります。
今では、少なくとも人のふり見てわがふり直せ、の気持ちで毎日軌道修正を続けて行こうと思っています。
まあ、人生、ふりかえって反省する事しきりですね。