知恵袋サイトで質問をして帰化申請が100%不許可になったであろう中国人夫

 さきほどネットサーフィン(死語ですか?笑)をしていて、帰化申請に関する「とんでもない!」知恵袋サイトの質問と回答を見つけました。
 これは、もうすごい!
 質問した人は、確実に帰化が不許可になっています。

 帰化申請中などで、気になる人は、「教えてgoo 国籍離脱証明書」のキーワードで、GoogleやYahoo!などの検索サイトで検索してみてください。平成24年6月5日現在では検索トップに君臨しています。ちなみに、goo検索では上記ワードでは検索にひっかかりません(笑)。

 oto69さんという主婦の方の質問の内容を要約すると、「日本生まれの中国人である」質問者のご主人は帰化申請を受け付けられてから「消失証明のようなもの(原文ママ)」「おそらく国籍離脱証明書のようなもの(原文ママ)」を在外公館から取ってこいと言われたが、身内に聞いたら自分達は登録されていないからでないで「あろう(原文ママ)」と言われ、在外公館に確かめたら「でないかもしれない(原文ママ)」と言われた。そのことを法務局に伝えると「そんなはずはない」と言われ、現在、結果待ちの状態と書かれていました。2009年7月の知恵袋サイトでのやりとりです。

 そして、とんでもないベントアンサーの内容は要約すると次の通りです。
 ペンネームは、noname#174737さん。

 ・自分の会社に”台湾と韓国から”帰化した人がいるので「若干の知識はあります!」
 ・第一に、質問者は帰化申請が許可になったわけではないので、国籍離脱証明書なんで出るわけがない。
 ・他国の国籍を取得しないまま勝手に離脱すると無国籍者になりますので、おそらくそんな事を認める政府は無い
 ・第二に、本国に届出をしていない人間は世の中に存在しない者なので、存在しない者が国籍離脱する事はできない。
 ・上記ふたつの理由で、国籍離脱証明は入手不可能。
 ・おそらく担当者の知識不足、経験不足が原因かなと感じる(原文ママ)。
 ・ちなみに会社の同僚(台湾と韓国から帰化した者)もそんなものは出さなかったと言っている。

 さらに、質問者のとんでもない、oto69さんのお礼のレスが次の通り。

 ・大変参考になりました。
 ・思ったとおり、(国籍離脱証明書は)存在しないことが確認できた。
 ・1月に受理(原文ママ。受付の間違い)されたので、そろそろ帰化できると想定される(原文ママ)。
 
 大事なことは、この流れからすると、質問者はベストアンサーを信じて「この後、放ったらかした」ことでしょう。
 法務局は帰化申請において、本人が提出しないものを、「二度と」督促してはくれません。
 そして必要なものを出さない限りは、「絶対に」帰化は許可になりません。
 さらに長期間提出しなければ、自動的に、不許可となります。

 つまり、質問者の夫は不許可となり、日本国籍を取得することはできなかったことでしょう。
 自分で帰化申請ができると信じた「自分でやってみよう商法」の被害者です。
 ベストアンサーの方に何千万の損害賠償請求をしてみてもいいくらいです。

 素人の方が読むと、一見、論理が通っているように思えるかもしれませんが、ベストアンサーは帰化申請の専門家から見ると突っ込みどころ満載の、ものすごいくらいとんでもない回答です。他人の一生に関する質問に答えてはいけません。

 ひとつひとつ訂正していると、半月分くらいのブログネタになってしまいそうです。
 国によっても、法務局によっても、帰化申請の進め方も必要書類も違いますから、中華人民共和国籍の帰化申請者に台湾籍や韓国籍の人の帰化申請の常識は通用しません。また、台湾籍の同僚の記憶も、夫の兄の記憶も間違っています。

 そして、一番大事なことは、中華人民共和国籍の方については、国籍証明書は必ず提出しなければなりません。

 国籍証明書は、帰化許可に欠かすことのできない国籍条件に関する最重要書類のひとつです。

 そして、中華人民共和国国籍を持っている限り、やり方を間違えなければ、必ず発行されます。
 そして、提出するタイミングは法務局によって違いますが、提出しなければ100%帰化申請は許可になりません。

 もっと言うと、質問者の文面を拝見しただけで(大使館の管轄と書いていなくても)関東の帰化申請者、それも東京法務局に申請した人であることがわかります。

 そして、東京法務局の帰化申請の流れにあてはめて考えてみると、法務局は「帰化の内定」のつもりで、中国の退出申請をするように促してくれたのです。

 ところが、せっかく内定が出たのに、教えてgooという知恵袋サイトで、くだらない質問をしてしまって納得して閉まった為に不許可となってしまわれました。知恵袋サイトに聞こうとか思うくらいなら、最初から、専門の行政書士に頼んでおれば、「なんの心配もなく」今頃は許可になっていたのに残念です。

 さすがにこの質問と回答のやり取りは辛口にならずにいられませんでした。失礼。

 追記:よくよく後で考えてみたら、もしかしたら、自分で申請する人を失敗させようとする専門家の罠かもしれませんね。知恵袋サイトはつくづく怖いですね。(2014.6.6)