大阪法務局管轄でも平成24年5月30日の連絡会議を受けて、在留制度変更後の帰化申請の変更を踏まえて、新しい帰化申請の手引きでの申請者への指導が始まっています。
ここで注目しないといけないことは、単なる帰化申請の添付書類の変更ではない、ということです。
韓国の戸籍制度廃止の際には、それまでの韓国戸籍謄本による身分関係の証明から、新しい家族関係登録簿記録事項証明書(除籍謄本を含む)による身分関係の証明に変わっただけだったので、「同じ内容」の(法定条件より広範囲の)帰化要件該当性を証明するために新しく何を揃えれば良いかという変更に過ぎませんでした。
つまるところ、単に、旧帰化申請必要書類から新帰化申請必要書類への「置き換え」でしかなかったのです。
しかしながら、今回、変更された様々な帰化申請添付書類を見てみると、単に「外国人登録原票が全て閉鎖されるので、外国人住民票プラス住民票では補えない事項が記載された書類を加えて『置き換える』」といった変化ではありません。
新しい「帰化申請の手引き」を精査してわかることは、「帰化の審査法が変わる」ということです。
端的に申し上げると、帰化条件の厳格化ということなのです。
エポックメイキングな出来事なので、ナナテンゼロキュウと呼びます。
帰化申請の審査において新しい時代が始まったのです。
国籍法が改正されたわけではありませんから、帰化条件が厳しくなったわけではありません。帰化条件を満たす事を証明・疎明するための審査が厳格になったのです。
要点は、次の通り。
1.定着性の厳格化
日本人社会に、遵法精神を持って参加してきたか。
2.家庭全体としての遵法性
上記定着性にあたっての判断は個人ではなく家庭全体で考えるということが、過去より一層明確になった。
3.虚偽申請の廃除
とくに身分関係に係る虚偽の在留状況を続けてきたのではないか。
上記に注目して、また機会を見つけては、追々細かい変更点について今後、触れていきたいと存じますし、ちょうど9月に岡山県行政書士会からの依頼で、帰化申請研修会を4時間たっぷりいたしますので、その中で行政書士の先生方向けに今回の改正のポイントをお話ししようと思っています。
いずれにしても刮目すべきは、この変革に至った原因としては、もちろん、帰化申請の主役が、特別永住者からニューカマーにシフトしてきた事によって発生してきた様々な問題点を早い間に根絶していく必要が、この「私たちの大切な日本国」に急務となったということなのです。
参考リンク:
帰化申請必要書類・添付書類
提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」