市民課内は伝言ゲームだということを理解すると帰化申請必要書類の収集がうまく行く

 帰化申請の必要書類を収集するために、地方自治体の市民課(住民サービス意識を職員に植え付け、住民自身にもアピールするために、窓口サービス課とか、市民サービス課という名称が多くなって来ました)に戸籍関係書類等を請求した際に、長時間待たされる事があります。

 困ったもので、大抵、「その後、5時過ぎまでに数件の役所を回りたい」とか、「帰化申請に必要な最後の書類でそれを取ったらその足で3時半までに法務局にすべり込みたい」などと、急いでいる時に限って待ち時間が長くなる傾向があり辟易します。

 諸届書記載事項証明書などの帰化申請の必要書類がなかなか出てこない原因の半分は請求者、つまり私自身にあり、半分は本当に役所が段取り悪いのが理由です。

 請求者自身の理由と役所自身の理由の双方に深く関係することがらがあります。
 それが標記の、「役所仕事は伝言ゲームである」ということです。

 帰化申請の必要書類を請求する際に、窓口の職員が、いかにもやる気がなさそうだったり、能力がなさそうだったりして、恐らく順調良くは進まないだろうなと予測されることも多々ありますが、窓口が非常にハキハキと好印象なのに、結果的に長く待たされたというような事もよくあります。

 長く待たされる原因が役所にある場合に、その要因のひとつは「伝言ゲーム」が上手く行っていないケースがあります。
 請求する者と窓口のハキハキ職員とのコミニケーションは上手く行っても(上手く行くのは申請者である私が必死に伝えようと、知識と表現力とユーモアとこけおどしを駆使しているからであることが多いです)、窓口の職員から奥の職員に上手く伝わらないことがあるのです。
 ひとつには、窓口職員はアルバイトや派遣職員などの臨時的な職員である形態を取っている地方自治体も多く、窓口がいくらハキハキ好印象でも臨時職員や比較的経験の浅い正社員であったりして、実際に検索したり証明書を作成したりするのは正規職員やベテラン職員である場合があります。正規職員やベテラン職員が上から目線で、臨時社員から「聞いてやる」ために、窓口に一生懸命に伝えたことが半分くらいしから伝わっていないことがあるのです。

 長く待たされる原因の半分は、私の書いた申請書が悪い場合です。
 いくら窓口に言葉や熱意や念力で上手く伝える事ができても、伝言ゲームである限りは100%は伝わりません。言葉は50%、熱意はほぼ0%です。念力については、うまくいけばかなり伝わることもありますが、マイナスとなることもあります。
 ということは、帰化申請の書類集めの際には、やはり、書面の中で、きちんと奥の正規職員やベテラン職員に伝わるように表現しないといけないということです。

 ところが、どこの自治体の書式でも、とくに「帰化申請で必要となる書類」の取得には適していない事がよくあり、われわれ行政書士は経験の中で、どこの市町村の書式でもきちんと伝わるような書類作成上のノウハウを自分で研究していかなければなりません。
 なぜ、「帰化申請で必要となる書類」の取得に適した書類となっていないかというと、あくまでも申請書類書式は一般の日本人を想定して作成されており、帰化申請を行う外国人の利便の事はもともと考えられていないからです。とくに諸届所記載事項証明書を市区町村で発行するいう事は、婚姻と同時に記念の為に賞状用紙などで発行される婚姻届記載事項証明書を除いては日本人には存在しない制度であり、一般の戸籍請求と比べ物にならないくらい僅かな数の請求しか存在しないので、それに対応する書式を作成することは費用対効果上無視している自治体が多いからです。
 だから、役所においてある書式がどうあれ、自分が表現すべき内容は、行政書士自身の頭の中にあらかじめ用意していなければなりません。

 そして、急いでいる時に限って待たされることが多いひとつには、ケツカッチンだと、逸る気持ちからどうしても請求書類の記述がぞんざいになってしまうこともあるのかも知れません。

 他にも、請求権限の確認をしないといけない場合などで、委任状が悪い場合もあったりしますが、いずれにしても、長く待たされる際には、役所に対してはらわたが煮えくりかえる気持ちをぐっと抑えて、自分の書いた請求書に不備は無かったか、もう少し上手く進む請求書のアイデアがないか、待ち時間の間に振りかえってみるのです。

 

参考リンク:帰化申請必要書類

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」