帰化申請後に引っ越ししたら教えて下さい(笑)!

 一昨々日に、待ち焦がれていた帰化許可が2件一度に許可になった記事を書きましたが、つい先日まで待ち焦がれ帰化案件がさらにもうひとつありました。

 京都市内にお住まいの方で、京都地方法務局に昨年末に帰化申請が受付された案件でした。

 特別永住者以外のニューカマーの方の帰化申請だったのですが、真面目な給与所得者の方で、なおかつ、日本の科学技術に多大な貢献をされる仕事をなさっていますので、私自身は比較的早く帰化が許可になるだろうなという目算を立てていました。

 ところがなかなか許可が下りない。

 帰化申請の経験が少ない事務所では、帰化申請後はほとんど放ったからしで、帰化が許可になっても事務所から帰化の依頼者に通知をしないところが多いのですが、法務局からの連絡を待っていては帰化後の手続きを迅速に済ますことができないので、とくに職業によっては大きな支障を与えることがあるので、申請支援センターでは許可になった際には、「行政書士事務所から帰化申請者に」連絡をしております。

 ですから、申請支援センターから申請された方、1件1件全て、許可になるまで心配しています。

 しかし、帰化申請なんてものは、昔はもともと2,3年やそこらは掛かってもおかしくない申請で、なおかつ2,3年しても梨の礫ということもざらにあったような事であり、平成15年からは「特別永住者に限って」、「一応、年内には許可にしましょう」という目安ができただけで、現在でも、人文知識国際業務や、定住者、投資経営からの帰化申請で1年を越えるケースなどは普通にありますから、あまり早い時点から法務局に「まだですか、まだですか。」とやかましく聞くのはかえって帰化申請の内容、とくに定着性を疑われかねませんので、おとなしくしていました。

 ところが、8月にも入って、帰化申請受付からかれこれ9ヶ月となり(帰化案件の内容によっては、9ヶ月くらいまだまだおりなくて当然という事件もあります)、この申請者の場合にはもう聞いてもおかしくないだろうと判断し、他の方の帰化申請の書類点検の際に尋ねてみました。

 前々から比較的よく顔を合わせている担当の方だったので、快く元気に調べに行ってくださったものの、帰って来られたら、顔色が少しすぐれない。

 「とくに問題はありませんが、それ以上は、申請者ご本人に直接お聞き下さい。へんなご返事で申し訳ありませんが・・・。」と、さっきの元気さが消えていました。

 仕方ないので、あとで本人に聞いたら、「今、関東の○○県に住んでいます!」との事。

 実際には、6ヶ月ちょっとという、特別永住者以外としてはハイスピードで許可となっていました。当方の見込み通りの進捗具合です。

 幸いにも、法務局にはきちんと報告していらっしゃったので、帰化申請自体は滞りなく進んだようですが、やはり、まずは私に連絡して、どう動くかを先に相談して欲しかったですね。

 住所の変更は、住所の変更に終わらずに、生計条件、素行条件などとも密接にかかわってきますから、その後の対応によっては、ひとつ間違うと取り下げ・不許可事案に変わってしまいます。
 うまく許可になっても、タイミングによっては、帰化届をするまでに2ヶ月くらい掛かってしまう状況になることもあります。

 また、帰化後の手続きを迅速に進めていくためには、「法務局からの連絡をぼーっと待っている」ような行政書士事務所ではうまく行くはずがありませんから、いち早く帰化許可を察知し、帰化許可者に今後をアドバイスする手順を取っているのが申請支援センターのやり方です。

 ところが、住所地と氏名・生年月日により、当センターからの依頼者の帰化許可を察知するシステムとなっていますので、引っ越しのご連絡がなかったので検索から漏れてしまったわけです。

 ホンマ、心配しましたで。

 まあ、申請支援センターに依頼される方は、帰化申請後に引っ越しをしたら、必ず「法務局に通知をする『前に』」、ご連絡ください!