帰化届をする前でも選挙ハガキは帰化許可者に届きます

 11月25日に帰化され官報告示を受けた当方からの帰化申請者の方からおとといお電話がありました。
 官報告示の直後から何度も何度も、申請支援センターの方から「帰化許可のお知らせ」の電話を掛けていたのですがなかなかつながらず、留守番電話にも帰化許可の朗報と帰化後の手続きについてのアドバイスがあるので電話をくれるように録音しておいたのですけれども、ご多忙だったのかなかなか返信が無く、おとといやっとお電話がありました。

 帰化が許可された方からのお電話は「先に申請支援センターさんから連絡はいただいていたので安心していましたが、今朝、法務局からも許可になった旨の連絡が入りました。」とのことでした。

 申請支援センターができるだけ早く、行政書士の方から依頼者に対して帰化許可の朗報を入れるのは、帰化後の手続きについてのアドバイスを一日も早くしなければならないからです。
 法務局も一応、帰化届と在留カード等の返納についてはざっと教えてくれるのですが、私のように「これとこれは、めっちゃ大事だから、絶対にしなはれ。」とか口に泡を飛ばして強調してくれないので、早く、色んな事を念押ししてあげないと、ぽーっとしてる人はさっさと動かないことがあるからです。

 ちなみに、あまり帰化申請の経験の無い「もぐり」の行政書士に頼むと、行政書士の方から帰化許可の連絡が入ることはありません。まあ、極端に安いところは大抵そんなものですが。 

 帰化後の手続きについての重要事項の申請支援センターからのアドバイスがひととおり終わった後に、今回の帰化許可者との電話の最後に、依頼者の方が尋ねられました。

 「実は、法務局に書類ももらいに行っていないのですけれども、今度の衆議院選挙の選挙ハガキが届いたのですが、選挙に行っていいのですか?」

 帰化届もしていないのに、選挙通知書が届いたことに少し驚かれているようでした。なお、「選挙ハガキ」とおっしゃったのは間違いで、「ハガキによる選挙通知書」です。正確には「選挙ハガキ」と呼ぶのは、選挙運動用法定公選ハガキのことで、「○○さんを宜しく」という推薦ハガキのことです。私は推薦ハガキをお願いしてまわっていた議員秘書時代を思い出して、その「キーワード」には敏感になります。

 一昨年来、各市区町村の選挙管理委員会も官報を読むようになりましたから、帰化届を提出しなくても、帰化が許可された方は選挙人名簿には記録されます。

 この方は平成26年12月2日の公示前の11月25日に官報告示がされていますから、日本国籍を持ち、また、20歳以上で、さらに選挙人名簿に記録されていますので、国政選挙においても地方選挙においても、投票することが可能です。

 実は、平成26年10月9日より前には、国政選挙においては選挙権はあるが投票については法律上一部の例外を除いて不可能であり、地方選挙については選挙権自体が無いので投票できませんでした。

 このことは、過去にこのブログでも触れました。
 >> 明日から帰化許可になられた方も即日選挙に投票できます

 なお、衆議院選挙投票日当日までに帰化届を提出していなくても、違法ではないとは存じますが、やはり、日本の戸籍が無く(あるいは戸籍作成の手続きさえしていない)、住民票にも未だ外国人として登録されている人が、国籍選挙に投票するというのも「はばかれる」ことなので、早めに区役所に帰化届に行きなはれ、とお願いはしておきました。