これだけ沢山帰化申請をやっていても、まだまだ経験が足りないのかもしれませんが、申請支援センターからの申請では不許可になった事が一度もありません。
これは本当に不名誉なことで、帰化申請業務を始めたばかりの頃は「帰化申請許可率100%!」などと、嘘では無いにせよ、経験が少ないので100%であって当たり前の馬鹿な謳い文句を掲げるしか脳の無い自分を呪ってました。
さすがに、早めに自分の背丈通りの営業を心掛け出してから運も向いてきて、なんとか順調な行政書士業務依頼がコンスタンスに入るようになりましたが「帰化許可率100%」を謳っていた時代ほど恥ずかしい過去はありません。
しかし、今でも不許可は無いのです。もっと、許可不許可すれすれの難しい案件をこなさねばならないことでしょう。
ただ、取り下げはあります。
また、帰化申請が不許可になった方の再申請がうまくいった事はそこそこあります。
ところで昨日、自己申請でこの度帰化が不許可になった人から、名乗りもしない電話がありました。
電話での相談では申請者の正確な状況がわかりませんからキチンとした答えが出ない為お断りしている旨を申し上げましたが、なかなか電話を終えられないので、なおもそのお電話にお付き合いしました。
名前も知らない方なので個人情報と関係ないとはいえ相談の詳細までは控えますが、自分で帰化申請したところ在留状況に大きな問題があり不許可となったが、再申請ができますか?今回の不許可は次の帰化申請に影響ありますか?という内容です。
まあ、私の回答はここに書く必要もないし意義もありませんが、この手の電話は結構あります。
中には、私が遠慮しているのに再申請を依頼され、長い時間が経過後お会いして帰化の再申請をして許可になったケースもあります。
ただ、そんなことよりも一番大事なことは、帰化申請が不許可になった時に気にすべきは、決して、「次の」帰化申請の事じゃない!ということです。
特にこの方のように「在留状況に非常に大きな問題」があった場合には、帰化申請以前に今後の在留更新など「日本で暮らしていけるかどうか」ということです。
ご本人も在留状況の問題はずっと前から自覚していたはずであり、もしそうだとしたら、場合によっては、その状況の解消のためだけに、帰化申請という道を選んだとしたのかも知れません。そして、そのような目的の為の帰化申請は、決して認められないのです。
心を入れ替え、まずは長く幸せに日本で住める道を「帰化申請以外で」模索されることを祈っています。