2016年3月1日施行の改正国籍法により560万円程度の資産が無いと帰化申請できなくなる?

 2016年3月1日から施行される改正国籍法により564万円以上の資産があるか、1人あたり国民総所得を上回る年間所得の無い外国人は帰化申請ができなくなります。

 といっても、これはお隣の韓国のお話。

 もともと韓国の国籍法においては3000万ウォン以上の資産を保有しない外国人は韓国に帰化できなかったのですが、全地球的に移民が問題となっている世界事情の中、国内経済や治安など様々な観点から国籍法が改正され保有財産が3000万ウォンから倍額6000万ウォンに引き上げられ、今年3月1日から施行されるそうです。
 6000万ウォンを今日の為替レートで日本円に直すと564万円ということになります。

 ただ、日本と韓国の貨幣価値からすると、564万円というのは日本の生活に直すと実質上1,000万円を超えるような金額ではないかと考えられます。

 日本の国籍法においても、帰化条件のひとつに生計条件が存在しますが、韓国のように具体的にいくら以上財産がないと帰化できないといった具体的な金額は示されていません。

 しかし、日本での生計条件は相対的な生活を見ますので、逆にいくら以上あれば安心できる、というものでもなく、とくに自営業の方においては一旦十分に資産があるように見えて受付けられた案件が申請後に取り下げを余儀なくされるなんてことも、たまに出てまいります。

 行政書士でも、帰化申請をあまり沢山やっていない間は「日本の帰化申請上で、生計条件なんて骨抜きなんじゃないか」と思いがちなのですが、なかなか奥が深いものです。

 一方で確かに「日本の帰化申請上で、生計条件なんて骨抜きなんじゃないか」という議論は、大いに日本国民の間でしていかないと日本は大変な事になる気がします。
 ずっと帰化行政はブラックボックスの中で行われてきたので表立った議論が日本国民の中で盛り上がったことなどなかったのでしょう。

 日本人の行政書士が関与する申請では、ある程度、申請者に日本人になる心構えというか、日本人としてこの国を盛り上げ日本人として心穏やかに幸せに暮らして行くためのアドバイスもあるのでしょうが、ここに来てインターネットその他の情報網を持つニューカマーなどの間では研究され一部では日本の国籍条件などなめられてきているような恐れさえあります。

 だからこそ、日本人自身が国籍条件に対して真剣に議論して行く時期にあると考えます。

 日本ももう少し具体的に生計の目標額を提示する方が内外から見て、わかりやすくていいのじゃないかと存じますね。

 将来の移民問題のタネになりそうな部分は韓国のように早めに手を打っておいた方が良いかもしれません。
 島国日本は、移民の恐怖にさらされにくい歴史の中で、なんとも寛容というか、悠長というか・・・。

 標記のソースは「국적법 3000만원 6000만원」なんかでググってみてください。