帰化申請の不許可案件や取下げ案件の再申請は気を使います

 ちょうど今、昨年帰化申請を取下げられた方の再申請を受任しています。

 ご本人のプライバシーもあるので決して詳細は申し上げられませんが、総じて真面目でほがらかな方なのですけれども「些細な」事件があって前回は帰化申請の取り下げを余儀無くされた経緯がありました。

 ここで「些細な」と書いたのは、第三者であり自称帰化申請の専門家である私が事件の詳細と当事者のそれ以外の状況を慎重に判断し、本当に「些細な」状況だと感じたので書けることで、経験上、相談会等で自分から「些細な事がありまして」などと言い出す方の多くにおいて、順法精神や社会への順応性に欠けている事が見受けられます。

 ですから、本人は仮に心の中でそう思っていても法務局に過少な表現をしない方が得策ですし、また現実に些細であろうがなかろうが反省の気持ちは表現すべき事です。

 また、再申請において、前回の不許可や取下げ理由のみにとらわれすぎて、それ以外の事がなおざりになってしまうこともよくあるので注意しなければなりません。

 今回の案件でも、私の方で事件そのものだけでなく全ての現状チェックも終わり、管轄の法務局の予約をいただく事ができました。

 ただ、予約はとれたものの同時に法務局から前回の事件内容について「罪となっていない事の証明を取ってきてください」と宿題を出されました。過去に幾つもリカバリーの再申請をしてきた中で添付した事はありません。第一、検察庁は法務省管轄なので閉鎖原票同様に本人に提出させると総務省に文句を言われる書類なんじゃないかな等と思いながら、私が喧嘩をすると本人に迷惑掛かってしまうとぐっと飲みこんで、「何という書類をどこで取ればいいですか?」と聞きましたら、法務局職員も「わかりませんが、何かそんな書類が取れるらしいんです」とおっしゃる(笑)。
 まあ、ご存じないものは仕方ないので、こちらで調べて準備しますと答えました。

 結局、刑事訴訟法259条の書類だったのですが、事件内容によって管轄や担当が変わるので請求先さえ変わってくるし、私がサッサと代わりに取ってあげられる書類でもないので、本人がパッと電話一本でスムーズに取寄せられるように下準備をするのがなかなか骨が折れました。

 法務局の予約は昼過ぎに取れたのですが、あちこち電話を掛けて、本人に電話とメールでこれからこう動いてくださいとご連絡できたのが夕方になってしまいました。

 電話では、これこれこういう順番で動いていただいたら良いですよ、なんて涼しい顔で私は説明したのですが、水面下では、結構涙ぐましい努力もしているのでありました。

 ご本人さんもチャキチャキした方なので、今回は帰化申請受付までに何とかなるでしょう。ほっと一息というところです。

 でも、午後に終わらせるはずの別件の申請書と今朝中国領事館で取ってきた国籍証明書の翻訳が全く手つかずなので、また夜中は寝られませんねー(涙)。