親族経営の会社の従業員の帰化申請

 今朝は大阪本局で中国の方の帰化申請を1件押し込んで来ました。 
 押し込む、と言うほどの事の無い、あまり論点の無い帰化申請でした。
 だから、そっと挿し入れて来ました、というのが正しい表現かもしれません。

 今日の申請はサラリーマンの方の申請でしたので本来はもっと軽量の帰化申請となってもおかしくはなかったのですが、親が取締役を務める会社で働かれていたので、会社の必要書類もフルセットで添付いたしました。

 ご本人は取締役ではなく単なる従業員です。

 このような状況において会社関係書類を省略できる案件も無いことはないのですし、そもそも親族経営会社の従業員であること自体表面化しない可能性もあったので、帰化申請が受け付けられた後で法務局から「どうしても出せ」と指示されてから動くという選択肢もあったのですが、当初からこちらから全て添付いたしました。

 このように書くと、このブログを読まれている方なら、「ありのままの申請を心掛けるべきだから」とか「開示の姿勢」とかいう言葉をすぐに思い浮かべられると思いますが、それらは基本中の基本なだけであって、素人の方がインターネットの情報など読みながら恐る恐る申請されるのなら、せめて正直に進めた方がリスクは少ないですよと言うだけで、実際には「ありのままに開示して」えらいことになることも少なからずあります。

 この方の場合は、私が様々に検討に検討を重ねた上で、先に開示した方が自然な流れになることが確実な事と、開示するべき会社の経営内容にいささかの曇りも無い事がはっきりしているので攻めの姿勢を貫く事が出来ました。

 まあ、真面目な方なので、今後交通違反や事故さえなければ問題なく進んで行くことは間違い無いのですが、卸し先等へ輸入品のサンプルを持って行く際など交通機関では対応できず営業で車に乗る事が多いお仕事らしいので、そこだけが心配です。

 帰化申請の受付の帰りに「お客さんからの電話であろうと、僕からの電話であろうと、運転中は絶対に放ったらかして下さいよ!」と申しあげたら、「昨日、会社に極力車で行く仕事は控えさせてもらうよう願い出た」と仰ってたので、ちょっと安心しました。

 でも、許可までそのモチベーションを続けていただくのが、許可まで長い道程である帰化申請の難しさかもしれませんね。