15歳未満の帰化申請では全ての親権者の同意が必要

 つい10年ほど前と違って帰化に関する情報が溢れる世の中となり、帰化申請のもう常識と言っても良いくらいの事かも知れませんが、15歳未満の外国人の帰化申請では親権者が代理申請を行うことになります。

 ここで大事な事は、親権者が複数存在する場合、親権者の誰かが申請すれば良いと言うものではなく、共同親権に服している場合にはその共同親権者全員の承諾、と申しますか、共同親権者全員が共同し帰化申請に臨まなければなりません。

 これは署名(サイン)すれば良いなどというものでなく、帰化申請の受付から面接から手続きの全てに申請代理人として全責任を持って当たらねばならないということです。

 例えば、子供は父母の共同親権下にありますが、仲良く暮らしている夫婦であれば何の問題も支障もないことでしょう。

 帰化申請の受付にも面接にも、父母が仲良く揃って、出頭できるからです。

 しかし、離婚していたり、離婚の正式な手続きはまだできていないが現実には別離している、といった場合には、非常に厳しい状況となるのです。

 法律上の親権の存在のについては、帰化申請自身の属する国の民法と国籍法のそれぞれに当たっておかなければなりません。中国人と韓国人の親権に関する帰化前の手続きは全く別物なのです。
 同じ韓国国籍の方の申請でさえ、10年前の申請と現在の帰化申請では幾つもの法律が改正されているので、全く扱いが違います。

 本日、やっと受け付けられた申請でも、半年前には実質的に別居し結婚生活が破綻しているご家庭でお母さんと娘さんだけで何とか帰化して、今後日本人として幸せに暮らしていきたいというご希望でした。

 もちろん、娘は父母の共同親権下にあり、別離している韓国人夫は全く協力してくれないばかりか本国無籍で簡単に戸籍整理もできない、さらに現在では、韓国人夫婦の離婚届は日本国の役所に提出しても、韓国法上、無効であり、韓国の家族関係登録簿に親権の表示ができない。相手の協力は得られない。さあ、どうしよう!という案件でした。
 離婚届ひとつで済むものではなく、住居ひとつとっても、出てった夫の名義です。

 それ以降、本人も、いろいろいろいろ頑張った。
 私も、帰化申請のノウハウの全てを突っ込んで、ひとつひとつアドバイスしながら水先案内人を全うしました。

 結果、何とか半年かけて、受付に至りました。

 今日は、自分を褒めてやりたくて、今、阿倍野の割烹で獺祭飲っています。(予約投稿)