帰化申請書の副本は最後まで作らないで下さい

 帰化申請では一部のローカル書類を除きほぼ全ての書類について副本を用意することが必要となります。
 「副本を用意する」とは申請書類を複数部作成するということで、帰化申請では2部目からは影写本、つまりコピーで良い事になっています。

 ところがコピーするにしても帰化申請書類の数は膨大ですので、これがなかなか骨の折れる大変な作業です。

 さらに、2部は「法務局に提出してしまう」わけですから、1年近い長丁場となる帰化申請の中で、受け付け後に内容を自分で確認しなければならなくなることは何度もあり、そのための控えだって残しておかなければなりません。

 結果として、20代の一人暮らしで特別永住者のサラリーマン、という一番(書類上は)楽な、いわば「屁ぇー」みたいな帰化申請であっても、慣れた行政書士でさえコピーだけで1,2時間程度かかります。

 家族での申請や会社経営者の帰化申請になると簡単なケースでも3時間位業務用コピー機のそばで自動フィーダーに書類を通しながら製本準備などの次の作業を行っています。
 グループ企業があるだの、合併があるだのの状況に至ると、徹夜でコピーする羽目になり、業務複合機が熱で故障する事もあります。今のリコーの機械は3代目ですが、寿命も近いかも知れません。
 ここからが本題ですが、これだけ大変な帰化申請書類のため、「いちど自分でやってみよう♪」と甘い考えで始められた人が途中で挫折して、我々行政書士事務所の門を叩かれるケースは日常茶飯事にあります。

 ところが、ひとつ書類を集めるたびに丁寧にコピーをしておられて「これまでに既に集めた書類です」といくつかの副本も一緒に渡される事も多いのですが、副本をいただくと、仕分けする手順が増えるため業務がかえって煩雑になり困ります。
 中には、人生の転機となる大事な申請なのでと、よかれと思って、官公庁書類など原本を2部ずつ用意されている方もいらっしゃるのですが、その必要もありません。

 また、どの書類が期限切れ間近で、どれがまだ使えそうかなど頭にいれて動かないといけないので、プレッシャーも増えます。

 やっぱり一番良いのは、白紙の状態で申請支援センターに電話いただくのが、本当は帰化申請者ご本人も行政書士もらくですし、何よりも、受付までが歴然と早くなることでしょう!