法務局でも即事判断できない帰化申請案件

 13日の金曜日ということでもないのでしょうが、今日帰化申請の書類点検でめったにない珍しい出来事がありました。

 出生の時より30年近く一度も日本から海外渡航の無い方なのですが、にも関わらず住所条件を満たさないと判断される可能性があるので受理伺いの状況となりました。
 問題とされている部分は、帰化申請者ご本人との最初の打ち合わせの時から私が指摘していた部分で、過去の数奇な運命に根差すものです。

 生まれてから長年ずっと日本に住んでいたのに住所条件を満たさない、なんて事自体はいっこうに珍しい事でも何でもありません。
 順法な在留資格を持って日本に滞在していないと住所とは見なされないからです。そんな案件は世の中にいやというほど有り、全て帰化申請が受け付けられる事はありません。

 珍しいのは、法務局でも即時に判断できなかったことです。

 大阪法務局の場合、大抵の相談員は過去に国籍課長なども経験された大ベテランである上に、少々込み入った確認を要する案件であっても現役職員と中で協議してくれて、長くても15分位待てば答えは出るのがほとんどです。

 今日のように「後から電話連絡します」というのは、非常に珍しいことなのです。
 それだけ、微妙な判断を要する難しい案件ということでしょう。
 本来は駄目であるところ、私も普段から真面目に業務を致しておりますので、一応は聞く耳を持ってくれたということなのかもしれません。

 帰化申請者本人は非常に真面目で生活も安定している素晴らしい方なので、何とかしてあげたいですね!