家族の年金加入が帰化申請の条件として現実化してきた

 明日、平成25年5月31日にある地方法務局本局で帰化申請の面接を受けられる方から、2,3日前に面接時の携行物についてのお電話がありました。
 この方にはもう少し前に法務局より面接の連絡があり、すでに帰化申請の面接当日に用意するものを指示されていたのですが、追加の書類を持ってきてくださいという電話が、あらためて入ったというのです。

 本人は特別永住者の方で、夫は日本人の方なのですが、この日本人配偶者である夫の「年金定期便」や「国民年金の領収書」などの年金納付記録を持ってくるように法務局より指示されたというのです。

 ご本人も収入のある方ですので、本人自身が長い間2号被保険者でいらっしゃるのですが、それに加えて「日本人である夫の年金記録」を要求されたのです。日本人ですから、もちろん、申請者本人であるはずがありません。

 昨年7月9日の在留制度改正より、いや、それよりももっと以前よりずっと、ASC申請支援センターでは、全ての申請者の方に年金の支払い状況について聴取をして、最低限の対処を続けてまいりました。
 そして、その際には、全員「一応」家族の状況も聴取し、姿勢を正されるようにご指導申し上げてきました。

 今回も、とくに夫が「自営業」でいらっしゃる関係から、事前に細心の注意を払って、申請を進めてまいりました。
 とはいえ、自分自身、(私の姿勢が)少し厳しすぎるかな、という気分も少しあったのですが、今回、日本人配偶者の年金記録を面接3日前に抜き打ちで法務局から支持されるに至り、ASC申請支援センターの考え方が正しかったことが実証され鼻も高々でございますが、同時に、もし甘く構えていたならば今度の面接で撃沈していたであろうことを考えると、少し胸を撫で下ろしたような次第です。

 年金を何年払っていたら良い、とか、交通違反は○○年分だけ注意すればいい、とか、税金は~・・・と、いまだにホームページで画一的な間違った判断を垂れ流している行政書士のサイトも多いですが(ほんとうに山ほど間違いサイトがありますね)、帰化申請では、法務局が「注意しておきたい」と思ったことは、すべてチェックされるということであります。2~300件程度の経験の間は、このあたりが理解できていない。「帰化条件を見切った」などと思い込んでいる愚かさが見え隠れするサイトもあります。真面目にコツコツされている先生も沢山いらっしゃる中、間違った一義的な判断を一般の方が信じたらどうするんでしょう。

 いずれにしても、今回は厳しすぎて正解でした。
 ただ、このたびの面接は、受付時に様々な書類原本を提示確認してもらったせいか、みなし特別永住者証明書以外、とくに携行物を指示されていなかったために、かえって「取り下げ含みか?」と心の隅で危惧していたものが、夫の年金記録の提示を求められて、かえって私としては心配が雲散霧消しました。

 行政書士としては、悩みどころも、なかなか一般の方と違うものなんです。

 まあとにかくは、そのことも含め、ASCオリジナルの面接対策をいつもどおり1時間強かけて行いましたので、本人は安心されていました。

 「安心なさったらいいですよ(^o^)」と笑ってお話しした私は、どんな簡単な案件でも、ひとつひとつ本当は心中穏やかでなくて、ナマンダブナマンダブと毎日、手を合わせています。

 明日の面接も無事にすんでください、と。

参考リンク:
帰化申請と国民年金未納厚生年金未加入

平成24年7月9日在留制度改正後の帰化申請必要書類

帰化申請の素行条件

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」