嬉しい帰化許可が2件重なりました/その1

 申請支援センターからの帰化申請の官報許可告示は平素より日常茶飯事にございますが、心配していた案件の帰化許可はやはり嬉しいものです。

 今朝は朝9時前に台北経済文化弁事処(実質上の駐大阪台湾領事館)で帰化依頼者の方との待ち合わせが入っていたので、朝の日課の官報チェックが出来ていませんでした。官報告示は毎朝およそ8時半頃にあるからです。

 弁事処から悪評高い梅田サービスカウンターと大阪家庭裁判所を回って、別の午後の帰化申請依頼者との打ち合わせのため天満橋の事務所に滑り込んだ後で、また別の方と携帯で帰化面接の打ち合わせをしている際に着信音がなりました。

 面接打ち合わせが終わって早速着信履歴を見ると、昨年末に申請した方の番号がありました。特別永住者以外の申請者です。

 実は、こちらの方は私に教えて頂いていなかった数年前の税務申告の不備があり、それが面接時に発覚して法務局からトコトンとっちめられたという経緯がありました。そして、面接の最後には、こわいこわい「取り下げ」を法務局担当者から勧められたのです。

 もちろん対処しなければ100%不許可なのですが、ただ、不備の内容が私の経験からすれば修復可能であり、その後の対処の方法を順を追って説明し「私も一緒に動いてあげますから、あきらめないで頑張りましょう!」と勇気づけてあげたのでした。

 しかし、面接の際にさらに別の問題点を同時に面接に呼ばれた配偶者にしつこく質問され、とうとう奥さんが法務局の面接室で声をあげて泣き出したという経緯があり(プロの間では「涙を流す奴はクロ(犯罪者)」という通り、面接で泣いたり涙を流すのはよけいに疑われます)、帰化申請をこのまま続けていく自信を全て喪失され、「もちろん、吉田先生には感謝しているので不満はないのですが」と前置きされて、中国の撤消退出の仕方を聞いてこられたのでした。

 まあ、このような流れになることは何度も経験していますので、本人の”やる気”をケアして差し上げる事もASC申請支援センターのテクニックのひとつですから、お電話では撤消の事は先送りにして、1時間半程度説得を続けて、最後は「帰化を取り下げるにしても取り下げないにしても、とにかく税務の不備に対する対処は、今、僕と一緒に動きましょう!それが日本で暮らすあなたの義務なんだから!」という話で終わりました。
 取り下げをしたところで、今回の不備を放っておいたら、将来やっぱりもう一度帰化申請をやりたいと思っても、対応のまずさによっては数十年間帰化申請できない状況となるからです。法務局は税にはシビアです。

 いつまでたっても私が話を終わらせてくれないものですから、結局、ご本人は「もう一度よく考えてみてから、あらためて後日電話を入れます。」とおっしゃって電話を切る以外ありませんでした(笑)。

長くなるのでわけましょう。

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