帰化申請で一番気を患い、初めて申請支援センターに訪問された時点から帰化許可までの期間も(帰化受付からの期間じゃありません)長く、本人が負担しなければならない金額も高額となり、最も大変な帰化申請となる案件のひとつが、親子関係の不存在の訴えに絡んだ申請です。
ただ、良くある親子関係不存在確認案件では「実のお父さんで自分も父だと確信していた父以外の子供に、法律上なってしまっていた」というケースがほとんどなので、その手続きが大変な帰化申請とはなるものの、大金を掛けてでも前に進めようとなった以上は「いざ、出陣！」という意気込みで血気盛んとなるのですが、そうでもない親子関係不存在確認案件もあるのです。
つい先日のブログでも、親子関係不存在確認により外国人になってしまった方の例をかいたばかりですが、現在、平行して行っている帰化案件でも、半世紀以上、実の父だと信じてきたお父さんとの関係を切らなければならない事情が存在し、普段比較的能天気な私もウエットにならざるを得ません。
帰化により日本国籍を取得するためには、父との絆を切らなくてはならないなんて、非常に悲しい二者択一です。
しかし、当のご本人が自分達の家族の今後の幸せを冷静に判断し、「父との関係を絶ってでも帰化が必要」とドライに前向きに考えていらっしゃるので、受任する私がブルーになっている暇はありません。
また、肉親としての関係は切れても、法律上はあらためて嫡出子の身分を得ることも可能ですから、親がご健康でいらっしゃる限りは、相続などの際の対処も可能です。
がんばりましょう！