帰化申請中に離婚したら基本的に取り下げです

 土曜の帰りは遅くてフラフラの事がほとんどですが、今日の帰化申請相談会はいつものように満員にならず比較的相談者が少なくあっさりと終わったので、相談会後の受任案件整理(まとめ)と事務所仕舞いをしても、まだこの午後6時台に帰りの地下鉄の中でブログ投稿を始められます。記事が完成して投稿するのは数日後になったりするかも知れませんが。

 今日の相談者の中に、別世帯の兄弟姉妹との同時申請を検討されている方がいらっしゃいました。

 同時申請を受任する際は、重複書類の省略等がある事を一応の名目として少し値引きしてあげるのですが、現実には数世帯の足並みを揃えるという行為が並大抵のしんどさではなく帰化申請者自身も行政書士もたっぷり疲れます。
 実務上は別々にひとつずつ帰化申請の受付を済ましていった方が気も楽だし身体も楽です。本音は、同時申請追加手数料をいただきたいくらいです。

 でも、本人の希望とあれば、問題が無い限りお受けしますし、何故か安くなります(笑)、しんどいのに。

 しかし、今回のケースでは同時申請を検討されているごきょうだいが近日中に離婚される事がほぼ確実であるとの事。
 それでは、いくらそれまでに帰化申請が受付されたとしても、生計条件を初めとした審査の基礎となる生活環境が根本から崩れてしまいますから、まず取り下げを余儀無くされることになります。
 また、状況によっては同時申請をしている他の親族の帰化許可や審査期間に影響が無いとは言えません。

 もともと離婚を予定されていなかったカップルが帰化申請中に離婚した時には当センターがフォローせざるを得ませんがフォローできるとは限らず、というよりできないと考えた方が正しく、申請前から離婚を予定している案件ははっきりと受任しません。

 もし同時申請にこだわるならごきょうだいが申請できる時期を待って一緒に申請するという道も無くはないのですが、「申請できる時期」というものが曲者です。

 離婚したらすぐ帰化申請ができるといった簡単な事では無く、離婚した後の住居も決まり仕事も決まって、相当の期間が経過して十分に安定した暮らしを適法に続けていける事が間違いないと疎命できる時が来るまで帰化申請は受付られません。
 だいいち、お互いの離婚意思が明確でも、子供の親権、財産分与等、様々な事柄で協議が整わず、なかなか正式な離婚にたどり着けない事も多いです。

 だいいち、離婚後におかれた環境・状況次第で、申請自体できない可能性もおおいにあります。

 さらに、現在何の問題も無いご家族の方が、待っている期間の間に帰化申請ができなくなる状況が発生するということも日常茶飯事に存在します。
 この帰化申請ブログに先日も書いた記憶がありますが、帰化申請の鉄則は「できるときにすべき」なのです。

 まあ、離婚する人もイチかバチか、いちどに親族みんなでしてみたらと薦めた方が、営業上良かったのかも知れませんが、僕は頭が固いので堅実に目の前の相談者だけでの申請を受任いたした次第です。

 しっかり、確実に通して差し上げれるよう、がんばりましょう!