韓国の掲示板で一般の方の質問に誰かが答えるサイトがあり、そこで帰化申請についての質問にとんでもない回答があったので、そのサイトを読まれた方が鵜呑みにして不幸な結果とならないようにこの記事を書いておきます。
質問の要点は、「帰化申請中に妊娠して退職したら、帰化申請に影響はありますか?」ということでした。
帰化申請中に妊娠して退職して、帰化申請に影響がないはずがありません。
ところが、その回答には、①妊娠した事を伝える義務が無い、②妊娠による退職は帰化申請に影響はない、③退職によって生活が不安定にならなければ退職したことを伝える義務はない、という「とんでもない」内容が書かれていました。
まず、妊娠したことも、出産したことも、退職したことも、帰化申請中に法務局に伝える義務があります。
それは帰化申請の際に提出している親族の概要や生計の概要、履歴書の全てにおいて、記載している内容と違う内容と相違する内容となり、そのような相違が発生する場合には、「必ず、連絡をして下さいね」と法務局の担当者から告げられているからです。
にもかかわらず、帰化申請の担当者に連絡を入れない事自体が、大きなマイナスとなります。
また、義務であるだけでなく、帰化後の戸籍が正確に作成されない事は、本人にとってマイナスとなります。
責任のない他人がアバウトに考えるならば、子供がまだ生まれていない時点では「親族に変更がないので、法務局に連絡する必要がない」といった愚かすぎる考え方もできないことはありません。
しかし、出産によって「親族の概要」に変更があるとかどうか以前の問題として、法務局も法務省も「帰化後に本人の正確な戸籍ができあがるよう」必死で考えてくれているのです。
帰化者の身分証明書の内容が確定した後で出産があり、にもかかわらず帰化が許可されてしまったら、現状を反映しない戸籍ができあがらないとは限りません。
また、子供の国籍の事なども考えて、場合によっては、妊娠したことで、帰化申請手続きを急いでくれる場合もあるのです。
ですから、義務もありますし、義務以前に、出産だけでなく、妊娠したことは間違いなく法務局に伝えなければなりません。
妊娠したことを伝えていないのに、いきなり、出産したことを伝えるような方もいますが、このような人は、大変な「怠慢な方」といえるでしょう。帰化申請という大事な申請をしているのに、普通の感覚のひとなら、「妊娠したんだから、法務局に連絡を入れるべきなんだろうか、と一生懸命悩み、法務局に相談していてあたりまえ」です。出産まで放ったらかしているなんて、母となる資格も、日本人となる資格もないぐらいの懈怠です。せめて、真面目に法務局に連絡して下さい。
次に、妊娠であれ何であれ、申請時に就いていた仕事の退職は、生計に変化がありますから、必ず法務局に連絡する義務がありますし、影響を与えない事の方が少ないです。
また、退職によって生活が不安定にならなければ退職したことを伝える義務はない、との言葉がどのような思考から生まれたのかわかりませんが、「退職によって生活が不安定になった」かどうかを判断するのは日本国であり、自分で判断するものではありません。自分で判断してどうする!と申し上げたい。
退職したり、転職した際には、退職したことを「必ず」法務局に報告をし、転・退職後の収支状況を(法務局の指示に従い転職後の給与明細なども提出して)きちんと報告した上で、「取り下げ」をせずにそのまま審査を継続することが可能か法務局の判断を仰がなければなりません。
判断を仰いだ上で、退職後の生計に重大な影響が無ければ、そのまま継続審査してもらえることはあります。
しかし、これらのことは、全ての申請者に「きちんと伝えるように」帰化申請の受付時に指示されることですので、報告しない事自体が原因で、「不許可」となっても文句の言えないことなのです。
何を報告すべきか、詳しくは下記参考リンクの「帰化申請の受付」ページの中の「受付後の注意点」という段落をご確認ください。
また、この記事を読まれる方は「帰化申請中に妊娠したら、出産したら(補足)」も必ずお読みください。
参考リンク:帰化申請の受付
提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」