帰化申請の受付ネタが続きますが、思い出したついでに書いておきます。
つい先日、数か月ぶりに関東の法務局に帰化の受付に行ってきました。
その法務局は、私としては初めて訪れる法務局で、下馬評としては比較的厳しい取り扱いをされていることを聞いていましたし、また、電話予約でのやりとりでも、初回訪問時は「必ず本人の同席」を要求されていましたので、少しこころして掛からないといけないなと慎重な気持ちで臨みました。
特別永住者以外の方の申請の場合には、定着性と日本語能力を測る必要があり、初回の本人出頭を要求されることもよくあるのですが、この法務局は、特別永住者であるにもかかわらず、申請者に来てもらってくださいと電話で指示されたのでした。
もう、この時点で「戦闘態勢」が見え隠れしていました。
ただ、何度も法務局に足を運ぶのは申請者の負担になりますし(おまけにご本人は身重でした)、新幹線で何度も往復するのは私も大変ですので、「初回から本人を連れてはいきますが、そのかわり、まあ書類が完全にそろってましたら、受付てくださいね。」と念を押しましたら、要件聴取も必要書類の説明も受けてないのにいきなり揃うはずなんてないだろう、という声のトーンたっぷりに、「そりゃ、ちゃんと揃っていたら、受付はしてあげますよ。」と冷笑気味の約束を取り付けました。
訪問した際も、私が開口一番、「揃っていたら、受け付けてくださいね」なんて、さらに念をおすものですから、初めからピリピリとした空気が漂いはじめました。
しかしながら、いつもそうですが、書類の内容をひとつひとつご覧いただく中で、一気に法務局の方のテンションも緩和され、おだやかな空気になっていきました。
この時は、単に給与所得世帯の申請ではなく、また、単なる自営業や法人役員ということでもなく、結構込み入った背景のある申請であったのですが、あたりまえのことですが、完全な書類がそこにあったので、おのずと力量もわかっていただけたものと存じます。
また、この法務局は相談員予算のついている法務局であり、その相談員もそこそこ手慣れた方でしたので、書類の点検は、非常にスムーズに進みました。
ほどなく、受付しましょうということになり、蛇足ながら、リップサービスで自分から「では、私は退散いたしましょう」と退室を申し出ましたところ、すっかりご信用もいただいたのか、「どうぞ、そのまま」という運びとなりました。
従来、帰化申請の宣誓書は、「音読での読み上げ」が原則だったのですが、この時はわざわざ「心の中で読んでいただいたら結構ですよ。」と非常に紳士的な取り扱いでした。
最近、音読を指示されない、このタイプの法務局も見られるようになってきました。
実は、大阪の法務局・支局の中にも、音読を免除される局があります。
動機書と、宣誓書は、読み上げが必須であった時代に比べて、おだやかになってまいりました。
ただ、特別永住者以外の場合には、今でも、全員義務付けられているものと思います。
原則、受付の際は同席しないですし、最近は開業したばかりの頃のようにいちいち申請者に「どうでした?」と効かなくなったものですから、完全にどうなのかは把握できていません。
ただし、特別永住者以外の方については、ASC申請支援センターの日本語対策プログラムによって事前の備えは完璧に行っていますので、まあ、心配ないでしょう。
参考リンク:
帰化申請受付
提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」