韓国領事館職員にも道路名住所は使いづらいらしい

 韓国の方の帰化申請で家族関係登録簿記録事項証明書を請求する際の登録基準地(韓国の本籍地)ですが、請求する立場の我々だけでなく、領事館の職員さんにとっても道路名住所は使いづらいようです。

 とりあえず現在のところは、以前の里洞住所でも請求できるとはいえ、申請支援センターでは、馬鹿馬鹿しいほど律義な事に、事前に対応する道路名住所を下調べした上で検索に向かいます。まあ、悪く言えばA型人間の性といいますか、飾って申し上げれば帰化申請ビジネスとして受任している限りはあたりまえの労力を掛けるという誇りというか、損な性格です。
 ご経験の少ない安い事務所では、やはり、道路名住所を調べる術も持たず里洞住所のみ持って検索に向かわれるのでしょうが、そのようなやっつけ仕事とは一線を画したいという、帰化申請への無意味なこだわりですね。

 しかし、一概に無意味ともいえず、というのも、特別永住者の方の大半は自分の本国戸籍を番地まで覚えてはおらず、さらに外国人登録上の本籍地も「里・洞」までしか登録していないという例も日常茶飯事にあります。

 一応、これまでは「番地」が不明でも、なんとか「里・洞」まで判明すれば、同里・同洞内で、同姓同名同生年月日の方が居ない限りは問題なく検索・発行されていたものが、道路名住所法施行後の道路名住所においては、複数の道路がひとつの里洞を通過しているわけで、番地まで確定しないことには、正確な道路名住所が確定できないという結果となりました。

 このような際に、番地不明の案件では、万が一、里洞名住所にて不見当だった際に何度も足を運ばなくてよいように、新道路名住所地の候補として複数の道路名を下調べして、準備しておくわけです。

 なんのためか、わかりますか?

 法務大臣に対する不見当時の疎明力が、里洞住所の検索で不見当だったというのと、道路名住所の検索で不見当であったというのでは違うからです。

 一事が万事、やるべきことをしていないので安い事務所に成り下がるわけにはいきません。
 韓国書類の検索だけでなく、やるべきことを知らない、何をどうすべきかを知らず、ただ単に、やみくもに書類を集め、依頼者の書いた申請書の下書きを清書しているだけの仕事をしてお金をいただいている方もいらっしゃるのかも知れません。
 その結果、表見上、許可にはなっても、正確な相続のできない戸籍ができたり、帰化後に帰化申請よりもっと手間のかかる問題が残ってしまったりして、大きな額の損害賠償を請求される未来に気がつかないのは不幸なことだと存じます。
 これから帰化申請の専門家として一歩一歩踏み出そうとしている方は、血の汗を流して、勉強して下さい。

 と、エラソーで、たいそうなことを申しておりますが、実際のところはというと、領事館職員さんも道路名住所によって検索するのは大変と言い、私の下調べもむなしく、里洞住所がわかるのであれば、里洞住所で検索をなさるのでありました。(^_^;)>゛

 但し、今後時間を経るに従って、個人としては転籍や身分関係の異動が発生したり、行政上では区画変更などがなされたりしていくにつれて、今と同じ検索だけでは足りなくなることは間違いないことでしょう。

 
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