無きことの証明書(不見当証明)/帰化申請必要書類

 帰化申請に必要な様々な書類について「探し回ったけれど、どうしても見当たらない場合」には、苦肉の策として無きことの証明書を提出する場合があります。

 ここで大事な事は、「苦肉の策である」という事です。この事を行政書士も一般の方も、帰化申請を行う人間は、はっきり理解しておかなければなりません
 

 無きことの証明書不見当証明とも言い、各官公庁により様々なフォーマットのものが発行されます。

 帰化申請を始めたばかりの行政書士さんの場合に、「目的の書類が無かった場合には、無きことの証明書で代用できる」と勘違いしている方が非常に沢山いらっしゃいます。ホームページにそのように記載している人までいる始末で、読まれた一般の素人の申請者の方がそれを書いてある通りに受け取ったらどのような結果になるのか、と考えると非常に恐ろしい気がいたします。

 必要な書類が、無きことの証明書によって代用できることはありません。

 「無いもの」は「無い」まま審査は進んで行ってしまうので、「有ること」にはならないということです。

 しかし、帰化申請は通ってしまうことがあるので、結果は日本人になった後の戸籍の上に残ってしまいます。そして、そのうちの多くのケースではその戸籍のまま一生過ごしていくことになります。

 この案件でこの書類が無いまま帰化が許可になるとどうなるのか、書類があってもどのような記載内容であればどのような戸籍ができあがるのか、それが完璧に理解できていなければ帰化申請業務を行ってはなりません。
 それは、何よりも相続にも影響し、また、場合によっては、申請者の将来の結婚や、子供の未来に関わってくることも少なくないのですから。
 

 戸籍調査の方法も持たずに、届出地であろうと適当に目星をつけた官公庁のみを探してみて(あるいは、ただやみくもに片っ端から探してみて)、簡単に無いことの証明書をつけて済ませている行政書士さんなら、コストも掛からず「楽に」帰化申請を行うことができることでしょう。でも、そのような仕事は、はっきり申し上げて、一般の素人の方とまったく変わりありませんから、行政書士に頼む意味がありません。

 帰化業務の勉強のために10万円ほどの額という昔からの行政書士には考えらないような廉価で営業している、開業して5年に満たない行政書士さんの「安さ」の秘密はそのようなところにあるのかも知れませんね。
 

参考リンク:
無きことの証明書(不見当証明)/帰化申請必要書類
無きことの証明書(不見当証明)の書式/帰化申請必要書類
無きことの証明書(不見当証明)を付ける意味/帰化申請必要書類

 

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」