昨年より帰化申請を準備されていた方へのご注意

帰化申請を年内から準備されてきた方は注意しないといけないことがあります。

 道路名住所法による韓国の登録基準地(本籍地)の変更が、帰化申請に影響を与える可能性のあることについては、申請支援センターは昨年より注意喚起をしてまいりましたが、具体的に影響を与える例のひとつに少し触れておきましょう。

 帰化申請に道路名住所が与える影響を考える上で、とくに昨年から既に帰化申請の準備をしておられた方にとって注意が必要です。

 昨年から帰化申請を準備されている方は、ちゃんとセオリー通りの順番で帰化申請書類を集められているのであれば、韓国の家族関係登録簿記録事項証明書や除籍謄本など既に手元にあることと存じます。

 しかし、まだ申請受付を終えてらっしゃらないということは、お手元にある証明書の内容は、変更され現実の内容と違う書類となっているということです。
 つまり、帰化申請の受付時には現実の内容にそぐわない書類をもって、申請書を提出する結果となるということです。

 一般の申請者にとって、本国書類の取り寄せは非常に大変なことですので、希望的に考えるならば、当面の間は、道路名住所になる前の地番住所(里洞住所)による登録基準地表示のものも、一応は、受け取ってもらえるものと存じます。

 しかし、帰化申請という申請が一般の日本人の関心をあまりひかない申請であるので、顕在化しにくいことではあるとは思いますが、「日本人の主権を左右する大事な申請なのに、申請時に誤った書類が添付されていても、法務省や法務局が何ごともないように受付ている」ということが世論が持ち上がらないとも限りません。これは法務大臣責任です。

 さらに、行政書士が関与している帰化申請であれば、一気に書類を取得しますが、予算が無くて泣く泣く本人申請をせざるを得ないケースでは、必要な本国書類内容を理解されていないために法務局からダメ出しを受けながら何回にもわたって少しずつ取得していく例が多いので、そのような場合には提出する書類の中で、「同じ人物であるにも関わらず」違った登録基準地の証明書を混在して提出するケースも実際に出てきているようです。
 内容の訂正がされてのに、怠慢で正確な書類を添付せずにすましてしまう態度が申請者の素行条件上どうなのか、という問題もあります。同じ人の書類の中でいくつもの登録基準地が掲載されているわけですから、知らなかったでは済まされないでしょうし、翻訳も付けているわけですから、自分の書類なのに目も通さず確認もせずに提出したということになります。

 もちろん、大阪管轄のように多くの帰化申請を扱う法務局であれば、このような事態を手をこまねいて見ているわけにはいきませんから、法務省に送る際の基準をブロック会議で対応を協議し、法務省に伺いを立て、今後の取り扱いを決めることでしょう。帰化申請数の少ない地方では、会議を開くこともなく、申請案件一件ごとの個別対応が続くことも予想されます。

 法務局での会議や法務省へのお伺いの結果、「やはり、道路名住所法施行後の登録基準地の家族関係登録簿記録事項証明書でないと受け付けない」となるのか、「道路名住所法施行前の旧登録基準地のものも、半年に遡って受け付ける」となるのか、まったく予期できるものではありませんが、可能であれば、決定がおこなわれるまでに、申請の受付をしてもらった方が得策であることは間違いありません。

 ただ、受付後にも、追加提出を求められることもあると、覚悟しないといけません。
 韓国での戸籍法が廃止され家族関係の登録等に関する法律が施行された際も、正月の施行後2ヶ月程してからやっと連絡会議が開かれ、地方ごとの対応が決まったのは春前あたりで、さらに一年後にようやく、入養・親養子入養を添付するか電算化除籍を添付するという取扱い(地方ごとに違います)に落ちついた流れです。この時は、申請後にも、入養・親養子入養を追加提出を求められた案件がありました。

 いずれにしても、帰化申請にはスピードが必要ということです。

韓国の道路名住所法についての詳しくは下記をご参考下さい。
韓国道路名住所法

 

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」