帰化申請では、さまざまな数十種類もの集める書類だけでなく、出生時からの履歴書や、前歴などの賞罰に関する報告書、生活の収支についての報告書、財産と負債に関しての報告書など、作成しなければならない書類が多くあります。
ところが、これらの書類を作成していく上で、気をつけなければならないことがあります。
そのひとつが、標記の「帰化申請書類に修正液が使えない」ということです。
帰化申請では、俗にホワイトと呼ばれる、白い修正液や修正テープを使うことは許されていません。
もちろん、鉛筆書きはダメですので、必ず「黒色」のインクで記載をしていくことになります。
間違えた時には、訂正の跡をきちんと残していかなければならない決まりです。
ところが、誰でも人間ですから、沢山間違います。
せっかく下書きしていても、この帰化申請では「ものすごい量」の文字数を記入していくわけですから、どうしても間違います。本来は、一か所でも間違ったときは、書類自体書き直す、というのがベストなのですが、時間を掛けて書き上げる直前に間違えてやり直しというのを繰りかえいているうちに申請者の方はあきらめられるようです。その結果提出する書類は、訂正だらけの書類になるようです。当センターにご依頼されない方の書類チェックを有料でする場合もありますが、提出する前の時点で、なんだか汚い書類になっていることがよくあります。
さらに、法務局で赤ペン修正が加わりますから、法務省に送られるときには、黒やら赤やらびっしり訂正だらけの書類となるのです。
行政書士事務所は、事務所ごとに申請書のフォーマットを持っていますから、もともと訂正はありません。ただ、エクセルとかワードなどパソコンで書式を自分で作られる際には、よっぽど原紙に忠実に作成しないと審査する側が苦労します。つまり、審査時間が長くなるリスクとなる可能性が残るのです。
ASC申請支援センターでは、不許可案件のリカバリー申請をすることがありますが、そんな際に持ってこられる前回申請時のフォーマットを拝見したときに、「え!これが帰化申請書?!」と思えるような、原紙とイメージが全然違う用紙を見かけることがあります。これは、翻訳のフォーマットでも言えることですが、いくら内容が同じでも、あまりにも書式が違うと、読む側としては、ただでさえ忙しい中なのに本当に辛いものです。はっきり言って、馴れたルーチンワークの中に、特殊な作業が入るのは煩わしいもので、はっきり言って見るのもイヤになります。
また、一般の素人の方は、行政書士に倣ってパソコンで書類作成をするのはあまりおすすめできません。
画面での作業はどうしても、間違いに気づかないことがあります。プリントアウトしてからの確認作業を何度も繰り返す手間と、それでも見逃すリスク(活字になるとなんとなく気持ちが甘くなりますから)を考えると、面倒くさくても、素人の方は手書きの方が、まだマシかもしれないです。
われわれも年中間違えていますが(笑)、大量の申請をこなす中、繰り返し間違える過程において、自分のミスをするポイントがある程度わかっていますから、チェックができるのです。
ただし、それでも間違えます(汗)。
参考リンク:
帰化申請書類(自分で作成する書類)
提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」