帰化申請の添付書類が増えたことのひとつ/住民税納税証明書

 先日(平成24年5月30日)、在留制度改正にともなって帰化申請の添付書類が増えたり帰化条件の厳格化が行われる事を書きました。大阪でもさっそく連絡会議の内容を受けて、6月に入ってからの事前相談では制度改正後を見越した帰化申請添付書類等のレクチャーが行われているようです。

 当センターは帰化申請の事前相談に行くことはほぼないのですが、今日法務局に事前相談に行って来た行政書士の方から「市府民税(住民税)納税証明書の添付が増えて困りました」とお電話がありました。

 その行政書士の方が申請支援センターに相談したかったのは「家族の中に住民税を支払っていない家族がいるのだが、これから払ったら許されるのか?」ということだったのですが、それはさておき、その行政書士の先生が今日法務局から聞いてきたのは、「これまで本人のみで許されていた市府民税納税証明書が家族分も付けなければならなかったこと。これまで1年間だったものが、平成23年度納税証明書と、平成24年度納税証明書の2年間分を付けなくてはならなくなったこと。」だと言うのです。

 しかし、残念ながらこの方は「在留制度変更で増えた書類と、時期的に添付しなければならない書類」を混同してしまっていたので、それを指適して差し上げておきました。
 (さらに、納税証明書と課税証明書も混同されておられる上に、今回から市役所のフォーマットにより、例えば大阪市フォーマットでは双方とも添付しなければならなくなったことをよく理解していなかったのですが、まあ、それは置いておいて。)

 まず、家族分を添付しなければならなくなったというのは、確かに今回の制度変更にともなって、納税義務遵守の厳格化がなされたものです。
また、在留資格関係の申請と同様に納税額だけでなく所得額の証明も必要となりました。住民税関係証明書について何をつけなければならないかは、居住している市区町村の税証明書書式により変わってきます。

 一方、平成23年度納税証明書と平成24年度納税証明書の双方を添付しなければならないのは、5月後半から7月までの申請では特別徴収者であるか普通徴収者であるかも考慮しながら両方添付するのか、前年度のみで行うのかを法務局と折衝しながら進めて行く必要があるものなので、毎年、この時期の帰化申請では「当たり前に」添付しなければならなかったものです。
 申請支援センターでは、役所に支払う住民税納税証明書の手数料は当方が料金内で捻出しますので、当センターの自腹経費が増えるだけで、とくに依頼者の負担が増えるわけでないため、何度も法務局に行くのも面倒ですからこの季節の帰化申請では、「当たり前に」両方添付するのです。

 経験のない事務所では、税務関係の理解が少ないため、両方つけさせられただけでびっくりされて「不満を言ったり」、所得税でも2箇所給与の方の確定申告義務にびっくりして「依頼者に二度手間を掛けたり」、2箇所給与なら誰でも確定申告をしなければならないとか思っていらっしゃったりして、依頼者の方が右往左往します。
 帰化申請の周辺の法律や制度をよく勉強しておく必要があります。

 住民税納税証明書のことに戻ってさらに申し上げると、この季節の新年度納税証明書は交付されるもののまだ全額納期未到来ですから、実質上ほとんど意味がなく、結局、面接時や東京に送った後で、もういちど新年度納税証明書の再取得を命じられる場合もあります。それも、誰でも再取得しなければならないものでもなく、その方の生活レベルや事業規模などによって、再取得となったりならなかったりするのです。

 いずれにしても、全て「日本人の社会を守るため」に必要な処置であり、不満を漏らしている間は、帰化申請の専門家ではありません。

 驚くことはいつまで経っても、ありますけれどね。
 ただ、世の中の変化から、できるだけ早く、あるいは事前に、驚き、その対策を立てる努力を怠らなければ、驚く回数が少し減ります(^o^)

 

参考リンク:
帰化許可・帰化不許可

帰化申請の条件要件

提供:帰化申請の「ASC申請支援センター」