この時期の帰化申請は住民税関係が微妙

 例年、この時期の帰化申請では、各地方の法務局や地方法務局、支局毎に作戦をたてながら申請スケジュールを立てなければならないので、少し気を使います。

 市府民税(大阪府、京都府など)や市県民税(神戸市、奈良市など)や特別行政区・都民税(東京都)などの住民税の年度替わりを控えているからです。

 厄介なのは、帰化申請を行う方の居住する市区町村によって平成26年度交付開始日が違うことです。
 また、課税証明書であるか、納税証明書であるかによっても、交付開始日が違います。平成24年からの帰化申請では両方とも添付することが必要となっていますので、このあたりを注意しなければなりません。
 もっとも、かつての帰化申請でも、納税額がある場合は納税証明書、非課税の場合には課税証明書というルールがあり、両方取得しなければならない場合があったので、初回相談から家族構成を聞きながら、どう帰化業務を進めて行くか考えるのも一興でした。まあ、現在の方が全員納税証明書を付けるので、判断基準は減って楽かもしれません。

  ※参考リンク
   大阪市の平成26年度課税証明書交付開始日

 そしてさらには、帰化申請者自身の昨年の収入の状況によっても、証明書が交付される日程が変わってきます。
 また、「納税」証明書という限りは、納税(納付)の事も一応考慮しておかなければなりません。
 ここが「原則、常に直近を求められる」大阪のほんの少し厳しい点かも知れません。

 4月後半から年度内の帰化申請と同じように、ほとんどが「平成26年度、面接時対応」という流れで、経験の少ない行政書士でも自力で帰化申請してみる人でも、一見、事なきを得たかのように感じるのですが、「住民税の年度が変わるということはどういう事なのか」を理解していないと、予期せぬ追加書類を要求されて慌てる結果となります。

 帰化が許可になる、ならない、などという低いレベルの議論で言うと、「法務局から指示されて、びっくりして急いで取りに行って、提出する」と言う事を繰り返していても、なんとか進んで行くことが大半かもしれません。

 問題は、その想定外であったための、時間的ロスです。

 来年の就職活動に間に合わせたい!、何とか子供の高校進学までに!、といったもともと帰化申請の本当の動機となったイベントに間に合わなければ意味がありません。
 就職や進学ぐらいならまだしも、お腹の子供の出生に間に合わせたい夢を持つ婚約中のカップルにおいては許可の遅れは致命的となります。

 くれぐれもこの時期の帰化申請では、慎重にスケジュールを考えておくことが大事なのです。