帰化申請添付書類の履歴書に記載する渡航歴の期間

 結論から言うと、各法務局によって取り扱いが違うし、その帰化申請者の在留資格によっても変わってくるので、申請する法務局に聞いて下さいというお話です。
 法務局には電話では確認できません。足を運んで、面談で教えてもらうしかありません。

 ただ、本来の法務省が決めた履歴書作成のルールは、
 
①申請者個人個人の「法定期間」
②最短期間は「1年間」

 それだけです。

 ここで大事な事は、「在留資格」の違いではなく「法定期間」であるということです。

 ずっと昔から様々な法務局を帰化書類点検で回る時に、ひとりひとりの法定期間をベースに決められた上記ルール通りに調製し、伸ばせだの、短縮せいだの、文句を言われるたびに、法律と法務大臣が定めたルールを説いて議論していたのですが、一番頻繁に訪れる大阪本局が、かつては「なんでもかんでも5年」ルールを取っており、5年書いておいた方が削るのが楽であるということと、日本の国民主権を守る為に非常に大事な役割である帰化申請の審査において、たとえ法定期間内の居住条件のみの審査だけでなく素行条件や生計の基礎となる身分関係の調査は十分に行うべきという大阪法務局の姿勢には共鳴していましたので、だんだんと口喧嘩するのが面倒臭くなって、法務省ルールを律儀に守り続けている事が明白な神戸地方法務局を除いて、「とりあえず5年」方式で書類作成を続けてきました。

 ところが、この夏辺りから、大阪の相談員さんから「特別永住者は3年でいいですよ。」という言葉が聞こえるようになって来て、また、理屈っぽい損な性格が頭をもたげて来ました。
 過去に何度も3年を5年に書き直させられた記憶が残っている身として、そら、ひとこと抗いたい感情は、いくら普段は法務局に対し「徹底したイエスマン」の姿勢で依頼者を守っている私にだってあります。

 今さら3年を言い出すなら、記載義務1年の特別永住者が殆どだし、もっと言うと、特別永住者でも5年の義務があるケースだって僅かに存在するわけです。
 さすがに、法定期間より短い記載期間はおかしいんじゃないかと存じます。