帰化後の手続きで韓国国籍喪失申告に日本パスポートが必要となりました

 帰化申請が許可になり日本人になった後に、従前の国籍が韓国であった方は必ず国籍喪失申告をする必要があります。韓国での義務を果たしていないと、将来的に様々な不利益を被る可能性があります。

 韓国の国籍喪失申告の際には、もともと韓国国籍法施行規則第14条第3項で定められた第2項第2号書面の代替書面として日本に帰化した後のパスポートを提出することはあったのですが、第2項第2号書面として本邦の帰化事項の記載のある戸籍謄本を翻訳付きで提出していましたから、必ずしも日本のパスポートの写しを提出する必要はありませんでした。

 しかし、この夏から当センターで帰化が許可になった方から、韓国領事館に国籍喪失申告に行かれて、パスポートが必要ですと言われたと、数件の報告がありました。

 それで急いで法改正情報を調べてみましたところ、2014.6.18改正7.21施行の改正規則で14-2-2に「~~と、外国パスポートの写本」との文言が追加され、日本のパスポートの写しの提出が義務付けられてしまったようです。

 直接、駐大阪韓国総領事館にも確認いたしましたが、「そうなんですよぉ。」と職員さんが追認なさっていました。「そうなんですよぉ。」という言葉が少し困った響きでしたので、おそらく、その事で窓口で言い争う方などが出てきているのではないかと思います。

 というのも、さっさと国籍喪失申告をしようとする方は、ほったらかしにしておく怠慢な者に比べて真面目な方なので、良かれと思って来たのに、必要書類が増えて、文句のひとつも言いたい気持ちはよくわかります。
 さらに、日本のパスポートは、5年パスポートでも大阪府証紙と収入印紙と合計で11,000円掛かりますから、経費も馬鹿になりません。

 うちでも、本籍地が遠くにある方でやっと国籍喪失用の戸籍謄本を郵送請求で取り寄せたところで、今度はまた日本のパスポート申請用の戸籍謄本を郵送で取り寄せないといけないので、こぼしておられる方もいました。
 まあ、過去から帰化が許可になった際には「最低2,3通戸籍を請求しときなはれ。」とどなたにも私から申し上げているのですが、節約されるのは本人の自由ですのでね。

 まあ、法律は14-2-2書類としては本来、「市民権証明書」のような独立した帰化申請の許可書類を想定しているのかもしれませんが、戸籍謄本は総合的な書類ですから、国籍に関する証明力のある独立した書類であるパスポートで補完したいということでしょうか。