高齢の方の帰化申請はなかなか大変です

 申請支援センターの帰化申請の料金は家族で依頼すると非常に安くなるので、親御さんを誘ってご一緒に依頼をいただくことが良くあります。

 家族2人目からの金額が半額というところが多い中、申請支援センターでは家族追加が3万円で済むからです。おまけに2万円近くかかることも多い印紙代等の官公庁手数料のほとんども含まれているので凄いお得です。領事館手数料まで入っています。
 領事館手数料も日本の諸証明書の費用なども「別料金」にして、ひとり目を安く見せかけているところは、家族追加がひとり目の半分くらい取られます。家族で申請してくれると儲かる商法です。実にうらやましい(笑)。

 まあ、商売上どちらが得ということでもなく、依頼者も自分で判断なされたら良いのですが、大事な事は「帰化は値段じゃない」ということです。
 100万払ってでもその後の人生が安泰に過ごせれば高くないし、ちゃんとした戸籍さえ作る力が無ければ1万円でも無駄な出費です。
 きっちり研究できていないまま、法務局の相談員の言うままに幾つか申請してみて、それが正しいやり方だと勘違いしている人の何と多いことか。
  決して、許可になればいいと言うものでは無いところが、帰化業務の難しさです。

 ところで、ご両親の世代となると自ずと高齢の帰化申請となります。

 僕は最高95歳の大先輩の方の帰化申請の許可をいただいた事がありますが、それだけ高齢の方の帰化申請となると、様々な部分ですごく大変です。

 まず、帰化申請の打ち合わせ自体の調整や、履歴書を作成する苦労なども去ることながら、壮年世代とは比べ物にならないほど、戸籍の考察や各帰化条件、また何よりも子孫の世代との関係についての重要課題を一つづつ確認して行かなければなりません。
 恐いのは、確認をさぼっていても許可になってしまうところです。

 今も、戦前生まれの昭和世代の方の申請を進めていますが、明治の方などと比べると少し気が楽でしょうか。