行政書士が帰化申請の面接についてきているのはやはり見苦しい

 今日は午後いちから帰化申請受付を続き様に2件いたしました。
 長引くことを予想して念のため1時間半ずつの時間を当てており、法務局国籍課で2件目の方をお待ちするつもりだったのですが、一件目が30分程度で終わったので、一度隣の事務所に戻って合間に別の簡単な仕事を片付けました。

 そして法務局に再び出勤しましたら行政書士随行の家族の一団がありました。

 2件目の方はまだ来られていませんでしたが、最終点検をさっと済まして出てきたら、まだ東方のお客さんは来ていなかったので、ついでに別件の追送書類提出も済ましました。

 その間、例の一団の様子を見ていると、どうやら面接ではないかと思われました。
 と言うのも、「法務局の待ち合い室、その場で」何やらアドバイスめいた事を行っていたからです。

 ただ、なぜか法務局の待ち合い室で、履歴書の内容を申請者に確認しては何か話をしているのがすごい謎でした。だって、面接に付き添っているにせよ、受付に同行しているにせよ、履歴書の内容は帰化申請書類を作成した時点で完璧に行政書士の頭に入っていて当然ですから、受付や面接の際にインタビューする事は何もないはずです。むしろ申請者本人よりも本人の履歴に詳しくなっている位なのです。でないと、面接アドバイスなんてできません。

 また、もし事前相談時であればインタビューをするのもわからないことはないのですが、帰化申請に慣れた行政書士が本人たちを引き連れて事前相談に行くことはありません。行政書士に任せた帰化申請者が書類点検や事前相談に行く必要はありません。本人を連れて行かないどころか、事前相談自体省略します。
 だから、「法務局の待ち合い室で」履歴の聴取をする場面というのは考えられないのです。

 いずれにしても、法務局で面接の当日にアドバイスを行うのはよくありません。
 本来、前日までに依頼者と面接対策の時間を創って事前に打ち合わせておくべきなのです。

 打ち合わせの結果、急遽、追加書類を用意しておいた方がスムーズに進む事もよくあります。また、大阪などではパーティションを切っただけの法務局待ち合い室では声を潜めて話さないといけない話しもできません。それは法務局に隠匿する話が全くないご家庭でも微妙なプライバシーに関わる話題はどの家庭にでもあるからです。
 それを他の帰化申請者が何人も居る待ち合い室で行うというのはデリカシーが無いとしか言いようがないです。自宅開業の行政書士の先生では打ち合わせしづらい事情があるのかもしれませんが。

 もっと申し上げると、面接に付いて行くと言う行政書士自体、帰化申請の専門家っぽくない気がします。

 「自信がないので、とりあえず同行する」という感じです。
 
 帰化申請に慣れた行政書士であれば、面接に同行するメリットが「全く」無いことを理解しています。
 面接では、サポーターは中には入れませんから、いくら付いて行っても、屁のツッパにさえならないのです。

 だからこそ重要なのは、事前に完璧なアドバイスをすることです。
 予想外の質問がほぼ無くなるアドバイスが必要です。
 「こんなことが面接ではよく聞かれますよ。」というのではなく、「あなたの面接は、これこれこんな順序段取りで進行していきますから、この質問についてはこう、その質問に付いてはこう対策しましょう。」とアドバイスし、また必要があれば、面接の場になってから困らないよう事前の行動も取らないといけないことも多々あるのです。

 面接前のアドバイスで、依頼者の不安を拭い去る力の無い行政書士は「とりあえず同行する」ことしかできないのです。
 法務局の待ち合い室で、形だけ「アドバイスしているふり」をして済ませるものじゃありません。

 完全なアドバイスを受けておけば、行政書士の同行なんて無くても、帰化依頼者は何の不安もありません。
 大阪法務局の「隣」にある当方でさえ、面接に同行しません!
 同行する必要も、同行する意味もないからです。

ただ、たまに大問題が発生して、隣の事務所からスクランブル発進いたします(笑)。