先週金曜はほんの少しボリュームのある帰化申請案件で午後イチ番に大阪法務局へ行ってきました。
親族3世帯2番号まとめての同時申請の受付本番です。
全く問題のない申請でしたがさまざまに悩まれたご事情もあられて、ご相談から2年越しの受付となりました。
満を持して、皆さんご一行とツアーよろしく、法務局の待ち合いに入った時、後ろから遅れて、こちらの依頼者の人々を押しのけるように、黒い服を着て見るからに人相も悪く表情もよろしくない女性が入って来ました。まるでリッチーブラックモアみたいな黒魔術のようなセンスの出で立ちです。
たぶん法務局のルールに疎い一般の素人の人なのでしょう、知識がないので仕方ないのかもしれませんが、その黒い魔女の人はバーゲンセールに割り込むような勢いで前にいる私達を押し退けて番号札を引きました。
大阪法務局では「必ず、相談票に記入をしてから」番号札を引くのがルールです。
大阪法務局というよりも、本邦の官公庁での”常識”といっていいでしょう。外国である韓国領事館でさえ、申請用紙に記入をしていないと番号をくれません。もっとも、僕が先に申請用紙に記入して準備していることが多い事をご存じの職員さんも多いので、良く行く官庁は私の顔を見るだけで必要な種類の番号を下さることが多いですが。
いずれにしても、素人である黒魔術の人に、ビジネスの”常識”が無いからといって責めてあげるのは少し可哀想なことです。
その日が忙しいからと自分勝手な都合でルールを破る心の貧しい人より、まだ無知の方が救われます。
しかし、黒い魔女は、ここからが悪かった。
大阪の本局では、ほとんどの場合、番号を引くとほぼ同時に中から呼ばれます。
案の定、書き切れていない相談票を手に帰化相談室に入ろうとした時、突然、マナーモードになっていない携帯のベルがけたたましくなりました。ベルが鳴っている電話を持ったまま、ずかずかと相談室に入っていくではありませんか。
すまなさそうに電話に出るのかと思えば、喪服風の人はあたり憚りのない大声で、営業か何かの話を柄の悪そうな声でがなりたてているのが、相談室の中から待合室まで響いていました。また、すぐに切るのかと思えば、当分の間、遠慮も品も無い声が長い間続いていました。
僕も、帰化相談室でマナーモードを忘れていて、電話を取ることが何度もありましたが(おまけに他人を非難できない柄の悪いけたたましいベルです>苦笑)、相談員や職員に頭を下げた上で、さらに、どんなに大事な相手であっても、「今、法務局ですので折り返します。」と告げ、電話を切らせていただきます。
実は、大阪法務局国籍課は帰化相談室どころか、待合室も携帯電話禁止です。
帰化申請の書類点検中に待ち合いから派手な声が聞こえてきたら、私との点検中に「センセちょっと待っといて下さいや」と言い残して、待合室に怒鳴りに行った気骨のある相談員も居ました。
僕も電話の際は、少なくとも廊下まで出て、さらに小声でお話しします。
でかい声で話したいときは、事務所に戻ります。大阪法務局の隣ですから。
その後、その黒い魔女は、入っていくときよりもっと険しい表情ですぐに出てきました。
恐らく、自分の思い通りにならない展開があったのでしょう。
まあ、魔女の素行からして、当然です。
ただ、うちの依頼者は魔女のおかげで、非常に得をしました。
魔女が横入りしてくれたので、相談員の巡り合わせが変わり、ちょうど点検をして下さった現在の大阪法務局でも一番内容の理解が早いIさんに当たったのです。
大した事の無いベーシックな申請ではありましたが、6人3世帯の同時申請なので、そこそこヴォリュームもあって、受付前点検だけで90分だろうなあと諦めていたのが、Iさんに当たった事で宿題事項の確認のみで職員に回して下さったので、帰化受付当日の総必要時間が、1時間以上短縮できたのではないかと存じます。
ありがとう!黒魔術。(^ㅊ^)