帰化申請受付の際の宣誓書は日本への忠誠の誓いには足りない

 昨日、米国その他の外国においての帰化申請では、国家(つまり社会、つまり、一緒に暮らすその国の人々)に対する忠誠の誓いがあるということを書きました。

 じゃあ、日本でも帰化申請の受付の際に帰化申請の提出書類として「宣誓書」に署名させられるじゃないか、という考える人がいらっしゃるでしょうから、念のため、続きを書きます。

 日本での帰化申請時の宣誓書は、大抵が、

 「私は,日本国憲法及び法令を守り,
  定められた義務を履行し,
  善良な国民となることを誓います。」

という文面で、帰化申請時に音読の上署名をいたします。

 しかし、今では、特別永住者に至っては、音読さえさせられず、「よろしければ、下記にサインを」などという受付もまかり通っています。

 実は、これは、米国で言うところの、Pledge of Allegianceです。
 アメリカ国旗が象徴する自由と正義を持つその共和国への忠誠を誓う短い文章で、愛国心のあるちゃんとした米国民は皆、暗唱できるそうです。

 しかし、米国への帰化の際に行う忠誠の誓いは、Oath of Allegiance と呼ばれる宣誓であり、より具体的にアメリカ合衆国に対しての忠誠を宣誓するものです。

 日本で生まれた韓国・朝鮮籍の特別永住者の方ばかりが中心に帰化申請を行ってきた過去とは違って、様々な国籍、様々な人生、様々な考え方を持つ人々が日本人になることを希望されるようになってきた今、私は日本でも帰化の際にOath of Allegianceが必要ではないかと考えます。
 さもないと、日本の形がもともとの日本人が意図しない形に「大きく」変わってしまうからです。もう、すでに変わってきています。

 変化することは決して悪いことではありません。
 しかし、帰化行政という、一般の日本人が全く知らない行政史の中で、日本に住むほとんどの日本人が知らない間に、「大きく」日本の形が変わっていってしまうことは、問題があることです。

 日本人が、新たに日本人になられる方との協調・和合の中で、どのような将来的な日本を作っていくべきか、いや、作りたいのか、という事を、ちゃんと意識し、新しい仲間を幸せに迎える準備をしていかなければなりません。

 その中で、最低限、守り育てていかなければならない共通の夢が、日本国憲法です。
 だからこそ、宣誓書の中でも日本国憲法及び法令の遵守が取り上げられているのです。
 
 しかしながら、読んだこともない日本国憲法を遵守します、といくら宣誓しても、いったい何の効果があるのでしょう。

 それであれば、帰化条件として、日本国憲法の理解が必要でしょうし、もし、今の国籍法の条件のまま、日本国憲法理解条件が追加されないまま、帰化行政が突き進んでいくのだとしても、それであれば、なおさら、帰化申請時や、帰化許可時に、もう少しは具体的な日本国憲法や、日本国、他の日本国民に対する忠誠の宣誓を行うべきではないでしょうか。

 忠誠の誓いでなくても、愛情の誓いで、いいと思います。
 しかし、帰化する方は、本当に、愛してください。この日本を。
 日本が嫌いになったら、もとの国籍に戻りたい、というような、カスのような愛でなく。

 

Pledge of Allegiance

 
 I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.