帰化申請で法務局に提出する外国書類の翻訳の認証

 現在縁あって海外に居住されている方の日本に住む未成年のお子様の帰化申請を担当させていただいています。

 一般に上記のような子供だけが留学で日本に来ているようなケースというのはほとんどの場合に何らかの帰化条件を満たさず帰化したくても出来ないケースがほとんどで、「お子さんが頑張って大学を卒業して、社会に出て活躍されるようになってからお越し下さい」と受任をお断りしなければならないのです。

 しかし、このお子様の場合は取り巻く環境から珍しく「帰化できる事情」が揃っており、日本国籍を取得する、という同じ目的に向かってご一緒に努力することになりました。
 ただ、僕が面談で会えるのは日本に住む未成年の子のみという状況は、帰化申請の委任契約ひとつ締結するだけでもなかなか面倒で閉鎖原票をひとつ請求するより手間でした(笑)。

 いずれにしても、国内外に渡って生活する世帯となりますから、自ずと外国書類が増えます。戸籍とか出生証明書などの身分関係書類だけで帰化申請ができるというものではありません。

 帰化申請では外国語で書かれた「全て」の書類は、もっと厳密に言うと、提出する書類に書かれた「全て」の外国語は日本語に翻訳しなければなりません。
 つまり、翻訳の費用が発生するわけです。
 
 件の案件でも出来るだけ費用を抑えるため、身分関係書類を除いては自分でできるものは自分でしてもらうことになりました。もとよりバイリンガルのスキルがあるからこそ国境を跨いでお仕事を続けられておられるのですので当然でしょう。
 ただ、身分関係、つまり戸籍関連の書類は自分で翻訳が出来ると言っても帰化の専門家に任せた方が無難ということで当方に任せられました。将来の相続や、妻子との関係についての大事な部分ですから。

 そのやり取りの中で「海外で作成した翻訳書類は全て公証と認証をしておいた方がいいですか?」というご質問をいただきました。

 さすが。グローバルビジネスに携われているだけあって良く理解されています。

 ある国の中で作成された書類は、元の国と使う先の国の双方で認証されて初めて海外で有効な書類として通用するのです。さらにそのドキュメントが私的機関で作成されたとすれば認証の前に公証も必要です。

 帰化申請においてもその大原則は少しも変わらないのですが、実務上は翻訳についてはそれほど厳密な取り扱いを指示されることはほとんどありません。
 ただ、法務局との交渉の中で、疑われ出すとその限りではありません。
 今回は申請支援センターに依頼されているのでまずそのような心配は無いでしょう。