帰化されたキーン氏も菊地寛賞を受賞されていた

 タモリの第六十二回菊池寛賞受賞を享けて過去の菊池寛賞受賞者をネットで拝見していたら、以前にこの帰化申請でも取り上げた日本人キーンドナルド氏の芳名と出会いました。それも、僕が生まれた年に。

 賞を授与されているので偉い人、というのではありませんが、僕が生まれた時点でもう世間に認められているような人については、その帰化にあたり僕の批評の余地はなかったのかもしれませんね。

 ただ、帰化申請において、日本国に暮らす日本人の総意としてほぼ間違いないだろうことは、「できるなら、日本に帰化を許すべき人は、日本人がぜひ日本人になって欲しい、と思える人であるべき」ということです。

 そういった意味では、キーン氏はもう僕の出生を越えた時点で、その資格を得ていたのかもしれません。

 帰化申請に来ている法務局の待合室でソファーにふんぞり返って座り自国の言葉を唾を飛ばしながら大声でまき散らし、面接官との会話だけ猫なで声で日本語を話しているような人々に、現在のように簡単に日本国籍をたたき売りしている帰化行政の中で、日本の文学に陶酔貢献し認められた人を見て、僕の中にある本来帰化を許可すべき人の像をキーンさんに重ねてしまいます。

 面接の時だけ日本語を話すような日本語愛の無い者に、キーンさん、日本語愛を叩き込んでやって下さい。

 そう言えば、申請支援センターからの申請が許可になって暫くしてから、有名な文学賞を取られた依頼者の方もいます。
 本人から喜びのメールをいただいて、その人の作品も買って読みましたが、なかなか日本人よりも日本人らしい文章を書いていました。そりゃ文学賞を取るくらいですから上手くて当然ですね。

 僕も、仕事のPRをしなければならないことと、他人の悪口と自慢を書かなければならない縛りがなかったら、結構、人間愛のある良い文章が書けるんですけどねえ。いや、ホンマ。

 いずれにしても、日本人から帰化を請われるくらいの、このような日本語愛のある申請者の方々が増えていって欲しいものです。