令和元年5月の日本国に帰化を許可する件の官報告示があった日は非常に少なかったため帰化許可「全日程」でASC申請支援センターが関係する帰化申請者が許可になるという事態となり喜ぶべきか嘆くべきか微妙なところです。
そんな中、令和元年の帰化申請の許可期間を気にされている方は非常に多いようです。
私は現在大阪府行政書士会国際業務研究会の副座長を勤めておりますが年度始まりの総会や役員会で行政書士会館を訪れるたびに、入管業務を得意とする他の役員さんや会館ですれ違った行政書士さんが私の顔を見かけると「ここのところの帰化許可期間はどれくらいですか?」と聞いてこられます。
中にはインターネットで「帰化申請の専門家」といささか誇大広告されている先生もいらっしゃいます。検索ランキング上位になっていても、本当の専門家とはかぎりません。
みなさん単発でお受けになられた帰化申請の依頼者の帰化申請が長引き、行政書士の先生も依頼者ご本人もイライラしだしておられるのでしょう。
でも、私には世の中の現在の帰化申請の許可期間の確実な平均像はわかりません。
ASC申請支援センターから申請された方は、ほとんど世の中の帰化申請の期間より早いからです。
遅くなった遅くなったと世の中で囁かれている現在でも申請支援センターでは大抵は特別永住者で8ヶ月程度で許可となっています。
皆さんのお話を聴くと特別永住者でもほぼ1年掛かっているようです。
また、一週間ほど前にも、仲の良い大阪会の入管申請の重鎮の役員さんから、長く待たされた末に不許可となってしまい、法務局に理由を聞きに行っても良いですかと相談してこられたので「何であなたともあろう方が理由を把握してないねん!」と長い小言を言ってしまいました。
やはり帰化申請が長引くのは悪い前兆で有ることも多いです。
しかし、「うちは普通に早いですよ」と言うと、ご自分の依頼者が長引いて相談してこられる先生方や、そのお客さんが不必要に心配されても可哀想なので「まあ、世の中丸々1年くらい掛かってるので気楽に待ちなはれ」と答えてあげる事にしています。
現実にうちでも丸1年かかった案件もあります。父が面接まで遅々として4ヶ月以上かかったのにその後4ヶ月弱でスピード許可となって喜んでいたら、同時申請せず数ヵ月後に受け付けられた子供側が受付後1か月で面接となり父を追い抜かすんじゃないかと軽口を叩いていたら逆に丸1年待ったというケースなどです。
いずれにしても、専門家であれば「帰化申請の期間を論じること」は、非常にナンセンスな事であると理解していなければなりません。
個々のケースで事情は違うからです。
また、国籍によっても、帰化申請の手続き自体が変わって来ます。最近のASC申請支援センターでの案件では中国人の帰化申請よりも多くなっているベトナム人と、韓国人の帰化申請では全く帰化申請の流れが違いますし、同じ華僑でも中華人民共和国と中華民国と香港特別区の申請者の帰化手続きはそれぞれ全く違うものです。
それを十把一絡に同じ俎上で論じることは全く意味の無いことで、帰化申請者を徒に心配させるだけのことです。
さらには特別永住者ならどう、特別永住者以外ならどうと、分類して論じることさえ無意味です。
申請支援センターの帰化許可最短記録である「3ヶ月半」は、特別永住者以外の普通の人文知識国際業務(当時)の方です、特別永住者じゃない。もちろん事実ですから、その経緯や早まった理由は説明できます。
いずれにしても、他の方の帰化許可期間と比較しても余計に心配になるだけですから、帰化許可が長引いている方こそ、帰化申請のことは忘れて、一生懸命仕事に精を出し交通違反や交通事故の無いよう、毎日を真面目に、また慎重に暮らして下さい!