長く帰化申請稼業を続けておりますと、帰化許可の官報告示、正確には「日本国への帰化を許可する件」を毎日チェックしている中で、要注意案件が許可される「こってり系の日」と「あっさり系の日」に大別される事が見えてきます。
先週の8月2日は間違いなく「こってり系」帰化許可日でございました。
当方でも在留特別許可歴のある中国籍の依頼者の方が、ちょうど丸二年を経て、めでたく帰化許可となりました。
帰化申請では、私自身が下記記事にも記載している通り「帰化申請の期間が長く、なかなか許可されないのは、不許可の前触れ」です。
〉帰化申請の期間が長く、なかなか許可されないのは、不許可の前触れ
また、今回の案件においても「まず不許可となります」と申請受付時、面接時と重ねて引導を渡された上で、無理を言って東京に送っていただいた案件でしたから、長い時間が掛かっていることもあいまって、さすがの私も「うちの”不許可”第一号」かなと腹を括っておりました。
以前にも書いた記憶がありますが、「まず不許可になります」と法務局から引導を渡された案件は、ダメ元で東京に送っても法務局の言った通り本当に不許可となります。
「ダメ元で送ってみますか」と言う行政書士がいたら、その人はもぐりです。辛いですが、勝算があるのか取り下げるかを行政書士は依頼者に教えてあげないといけません。
今回も、僕には勝算があったので、送ることを決断しました。
そして、帰化の専門家としてできる限りの手も打ちました。
そして、めでたく許可となりました。
でも、2年待ちはしんどかったなあ。
さすがに、ほとんど心が折れていました(笑)。
最近は在留特別許可歴ありの帰化申請専門と世間から思われているんじゃないかと思う位、定期的に在特案件が来ますが、どの案件もできれば受けたくない。
でも、きちんと改心して長い年月が経過し、さらに本当に僕を信頼し、人間関係が築けた案件のみ受任致します。
今度の案件もインターネットの「在留特別許可から10年やそこらで帰化申請できる」という”嘘”に騙されたご本人が自分で何度も法務局に相談に行っては断られ、「もう私は一生帰化できないんじゃないか」と涙ぐまれていたのに心を動かされ、入念な聴取を重ねて受任した案件でしたから、帰化許可をご報告させていただいた時も言葉に詰まっておられました。
僕も、嬉しいです。
同じ日に、帰化申請受付から、これも1年半越しの台湾籍の方の帰化申請も許可となり、台湾の方なので1年半越しというのは、ちょい長いかな位の事で、こちらは当方から申請した限りにおいて不許可になる理由が何にも無かったので不許可については全く心配はなかったのですが、申請中に御懐妊あそばされ1か月後に出産予定日が迫っていましたから、こちらもすっごい嬉しかったです。
いずれにしても、こってり系許可のお代わりで、非常に幸先の良い8月の幕開けとなりました。