駐大阪大韓民国総領事館で帰化申請に使用する韓国家族関係登録簿証明書の交付を受けたら、またもや書式の変更がありました。
今回の変更は駐大阪韓国総領事のスタンプがコンパクトになった事。内容はとくに変わっていないのですが左右に半分ほど短くなりました。
前週に取得した家族関係証明者や除籍謄本は前のスタンプが押されていたのですが、ちょっとした変更でも我々プロの翻訳業者は除籍なども含めた翻訳書式フォーマットを全部やり直すので、これだけ頻繁に書式が変更されると非常に面倒です。
というのも、ついこの間も個別書類番号の位置変更があったところで、そのときは韓国戸籍翻訳の依頼が300ページほど積み上がっていたので、翻訳フォーマットを改訂する余裕が無く、依頼された目の前の翻訳の中で適宜対応していたのですが、翻訳待ちがようやく普段通りの100ページ以内に収まってきたので、3週間ほど前にやっと全部の翻訳書式改訂を行ったところだったのです。
ぶつぶつ愚痴を言いながら、新しい駐大阪大韓民国総領事スタンプに翻訳書式変更をしましたが、ただひとつ心残りは、今のところ翻訳書式上で透過スタンプになっていないことです。
当方の翻訳書式はexcelを使用しています。
wordを使用するのも悪くないのですが、韓国除籍謄本や家族関係証明書ではexcelの方が原文を表現力豊かに再現でき、マイナーチェンジも比較的容易で、かつ、入力漏れ修正漏れが比較的少なくなるからです。
PDFでの原文画像に上から白塗りしていくような業者をたまに見掛けますが、これはダメな会社です。PDFでは翻訳文言をデータとして管理しづらいので、翻訳の途中で修正が発生したような際にどうしても修正漏れが出てきてしまいます。
もっと根本的な事を言うと、白塗り業者の翻訳に対する姿勢の表れからダメ出ししても良いです。
PDFファイルに白塗りする翻訳業者が「なぜ、白塗り方式で書類を作成しているのか」という理由には大きく2つの理由があります。
ひとつは原文を再現するフォーマットを作成する力に欠けている事です。これは翻訳者が主婦であったり、学生バイトであったりする場合に、フォーマット作成までとてもやってられないという事情があります。まあ、これは力が無いだけなので大目に見ても構いません。
もうひとつの理由は、縦書除籍などで「判読できなかったり、訳出する事を断念した場合でも、判読不能とか訳出不能と書かなくて済む」ことなのです。よくわからない部分は白塗りせず原文を放ったらかしたままにしておくわけです。これだけ汚いので読めなくて当然でしょ、という事を無言で主張するわけです。それでもそこに原文の文字が書かれているので、なんとなく格好がつく、と考えているのです。
この姿勢は、アカン!
翻訳事務所それぞれの自分の事務所の真っ白なフォーマットで、韓国戸籍にいちから翻訳の戦いに挑む翻訳者は、翻訳できなさそうな部分が出てきたら、必死で考えます。翻訳者魂から「判読不能」と書くのがプライドを傷つけるからです。1,2行ほとんど印刷が全く読めないような原文が出てきても、公的な歴史、その家族の私的な歴史を必死で考え、そこに何が書いてあるのか、そこに何が書かれているべきなのかを探ろうともがきます。超能力を磨けば、だんだんとほとんどは透視できるようになります。
それでもなお「読めない」「翻訳できない」となって初めて、白旗を上げ屈辱感に打ちひしがれながら断腸の思いで、その白いキャンパスに「判読不能」と書き込みます。
単なる道具の違いではあるのですが、命を賭して翻訳をしているかどうかの姿勢が問われる部分です。
で、なんでしたっけ?
そうそう。透過スタンプの件。
今度のスタンプは、半角風のハングルが記載されています。大昔のワープロで言うところの「縦倍フォント」みたいな文字です。懐かしいですね「縦倍」(笑)。
最近では、wordで縦倍をする時は、フォント幅を50%にして倍の大きさのフォントを使うわけですが、excelにはその機能が無いのです。
仕方ないので、セルを画像にして図の貼り付けという手を使ってなんとかしのいでるのですが、あくまで画像なので文字の背景が「白画像」なのです。ということは、何らかの文字等がある部分にスタンプが押されている場合には、白画像で下の情報が消えてしまうという事が考えられます。今のところは、重ねてスタンプが押されている書類が無いのでしのげていますが、必ずその時は来ます。
画像を透過にすると白背景だけでなく、半角文字まで透過になってしまいますし、wordみたいに文字の後ろに置くというコマンドもないですしねぇ。
なんらかのアイデアで、背景透過の半角漢字を実現しないといけません。
>韓国戸籍翻訳コム